安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)は2日、奈良地裁(田中伸一裁判長)で開かれた裁判員裁判の被告人質問で、銃撃した時の自身について「なるべく何も考えないようにしていた」と語った。 被告は参院選の応援演説に訪れた安倍氏の後方から、手製銃で銃撃したとされている。その場で現行犯逮捕されているが、警察官は「被告が『当たったか』とつぶやいた」と証言していた。 この発言について被告は「かすかに記憶がある」と述べたうえで、「銃撃直後にどういう状況かを確認する間もなく取り押さえられたので、状況を確認したかったのだと思う」と振り返った。 被告は射撃の書籍を読んでいたことも明らかにし、「射撃の心得はなるべく無心の方がいいとあった」と述べ、何も考えないようにしたと語った。 一方、手製銃の威力について「おそらく10~20メートル程度で殺傷能力が落ちると思っていた。90メートル離れたコンクリートの壁にめり込んだのは自分からすれば、考えづらい結果でした」と話した。【田辺泰裕】