昨年11月に兵庫県議を辞職し、今年1月に死去した竹内英明氏の妻が、政治団体「NHK党」党首の立花孝志氏に対し、虚偽の発言で夫の名誉を傷つけたとして、名誉毀損容疑の告訴状を兵庫県警に提出し、受理されたことが分かった。妻が8日に会見して明かし、「立花氏の発言は事実ではなく、夫の尊厳を守りたい」と訴えた。 妻や代理人弁護士によると、県の告発文書問題を巡り、竹内氏は県議会調査特別委員会(百条委員会)の委員として問題を追及。その中、交流サイト(SNS)で竹内氏を「斎藤元彦知事失職の黒幕」などとする投稿が拡散され、攻撃の矛先となったという。 告訴状によると、立花氏は昨年12月、自身のユーチューブチャンネルで「(竹内氏が)警察の取り調べを受けている」などとする旨の発言をしたと主張。「うその話を作り出し、斎藤知事を陥れようとしたとの事実無根の誹謗中傷をした」としている。攻撃が激化したため竹内氏は同12月に「うつ状態」と診断され、今年1月に死亡したという。 また、立花氏は竹内氏の死後も「明日逮捕される予定だった」などと虚偽の発言を繰り返し、当時の県警本部長が否定した後も、評価を低下させる言動を続けたとし、「死者に対する遺族の感情を著しく侵害した」と主張している。 会見した竹内県議の妻は「夫は県政の混乱の中で追い詰められ、孤立し、社会に絶望してこの世を去った」と話し、「民主主義の根幹をなす選挙が、死者の冒瀆に利用される異常さ、悪質さを深刻に受け止めなければならない」と訴えた。