韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が昨年12月に出した戒厳令をめぐる裁判が終盤を迎えています。尹氏は内乱首謀罪などで起訴されていて、韓国メディアは2月中にも判決が出ると伝えています。軍幹部の証言や、戒厳令の背景、今後の見通しについて1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「韓国・尹錫悦前大統領の裁判」を解説します。 Q 尹前大統領の裁判ってどんな事件なの? A 尹氏は、昨年12月に韓国で戒厳令を出したことで、内乱首謀罪などに問われています。 Q どうして尹氏は戒厳令を出したの? A 尹氏は、当時の進歩系野党が北朝鮮の影響下にある「反国家勢力」であり、過去の選挙に不正疑惑があったとの「国家的危機」を理由に戒厳令を出しました。政党の活動やデモなどを禁止する布告を出し、軍隊や警察を国会に投入しました。 Q 裁判では、どんな証言が出ているの? A 軍幹部からは尹氏に不利な証言が出ています。現場を指揮した郭種根前陸軍特殊戦司令官は、「(国会の)ドアを壊してでも中に入って(議員らを)引きずり出せ」と尹氏から指示があったと証言しています。他の幹部も、尹氏が以前から野党に対抗するため非常事態措置を考えていたと話しています。 Q 尹氏はどんな主張をしているの? A 尹氏は逮捕された直後から「公共秩序を守るためだった」として、一貫して無罪を主張しています。 Q 判決はいつごろ出るのかな。 A 韓国メディアは、最終弁論が来年1月中旬に行われ、判決は2月中にも出るとの見方を伝えています。