転売する目的でパソコン３１台を取引先の会社名義で仕入れ、勤務先に損害を与えたとして、大阪府警は３日「東芝テック」元社員の４７歳の男を逮捕しました。 背任の疑いで逮捕されたのは、大阪府豊中市に住む電機メーカー「東芝テック」元社員の田中祐介容疑者（４７）です。 田中容疑者は東芝テック関西支社で関西営業部長として勤務していた去年５月から８月、数回に分けて業務に不必要なパソコン計３１台を取引先の会社名を使って発注。パソコンを受け取ってそのまま売却し、東芝テックに約９９０万円の損害を与えた疑いが持たれています。 警察によりますと、田中容疑者は買取店での転売を繰り返し、約６８０万円の売却益を得ていたということです。 東芝テックは２月、田中容疑者を懲戒解雇処分とするとともに「従業員１名が架空の受注計上により、私的着服を目的に物品を受領し転売した事実を確認した」と発表。損害額については「２０１７年度から２０２４年度の期間で約２億円」と明らかにしていました。 田中容疑者は警察の調べに対して容疑を認めているということです。警察によりますと、東芝テックから計２億３０００万円の被害相談を受けているということで、余罪についても捜査を進めます。 東芝テックは田中容疑者の逮捕を受けて「不正行為により当社へ損害を与え、元従業員が逮捕された件を深刻に受け止めております。関係者の皆様にご心配をおかけしましたことを深くお詫びし、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。