損害額は2億円超 背任疑いの東芝テック元部長、容疑認める

東芝子会社のオフィス機器販売会社「東芝テック」(東京都)で架空取引を繰り返して会社に1000万円近くの損害を与えたとして、大阪府警は3日、関西支社の関西営業部長だった田中祐介容疑者(47)=懲戒解雇=を背任の疑いで逮捕した。「間違いありません」と容疑を認めているという。 東芝テックは容疑者が顧客からの注文を装ってパソコンを受注したように見せかけ、実際には個人で転売したとしている。会社の損害額は約2億3000万円に上るといい、府警が実態を調べる。 逮捕容疑は2024年5~8月、東芝テックに不必要なパソコン約30台(計約990万円)を仕入れさせ、同社に損害を与えたとしている。 府警捜査2課によると、容疑者は東芝テックの仕入れ先にパソコンを自分で取りに行き、買い取り業者に転売。約680万円の利益を得ていたとみられる。少なくとも24年までの3年間、顧客からの注文書の偽造を繰り返していたとされる。 東芝テックによると、容疑者は転売益の一部を代金の穴埋めに使い、顧客との取引が正常のように装っていた。顧客から代金の支払いが滞っていることを不審に思った上司が本人に尋ねたところ、取引は架空だと認めたという。 東芝テックは社内調査後の2月に容疑者を懲戒解雇。「元従業員が逮捕されたことを深刻に受け止めている。再発防止に努める」とコメントしている。【川地隆史】

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