大谷翔平のWBC参戦表明で高騰した不正転売チケット 「野球界は転売対策が遅れている」

「大谷翔平効果」は凄い。11月28日に始まったマスターカード会員限定のWBCチケットの先行抽選販売は、ものの数分でアクセスが殺到し、1時間以上待機する状況になった。これは、ドジャースの大谷が来年3月に開催されるWBCに出場することを自身のインスタグラムで24日(日本時間25日)に表明したことも影響しているだろう。すぐにリセールサイトで、定価の20倍以上の価格でチケットが出品される異常事態。WBC公式サイトでは主催者の許可を得ないチケット転売を禁じているが、今もリセールサイトでは犯罪的な行為が続いている状態だ。 スポーツ紙デスクは「他のスポーツ競技やコンサートツアーを参考にすべきです。紙のチケットを廃止し、リセールマーケットを公式サイトのみに限定して、定価以下の値段でしか転売できないシステムにすれば不正転売は一気に減るでしょう。野球界は転売対策が遅れています。大谷がWBC出場を表明すればこのような事態になることは想定できていたはずです。メジャーは高額なチケットの転売が横行していますが、メディアも不正な転売が犯罪であることをもっと周知する必要があります」と指摘する。 2023年のWBCでは、侍ジャパンの試合のチケットを20倍以上の値段で転売した東京都の会社員が不正転売禁止法違反容疑で逮捕されている。今年3月にドジャースとカブスが東京ドームで対戦した開幕戦でも、やはり不正転売による逮捕者が出た。 「逮捕者が出た後も転売を取り締まる対策が進んでいない。チケットを購入する際の本人確認を徹底するために、デジタルチケットのみの販売にしてスマホと紐づけることや、大阪・関西万博のように顔認証の導入を検討する余地があります。プライバシーの問題との兼ね合いがありますが、今のWBCチケットの販売システムで不正転売の犯罪を防ぐのは限界がある」(イベント関係者) そもそも日本が連覇を目指す来年のWBCのチケットが高額転売のターゲットになるのは、大会の盛り上がりぶりを見ても明らかだった。日本から世界一奪回を狙う米国やドミニカ共和国、ベネズエラは投打でメジャーを代表するスター選手をそろえた「最強軍団」を結成するとみられている。そして連覇を目指す日本も、これまでのWBCで最多だった5人(09年と23年)を上回る日本人メジャーリーガーが侍ジャパンに集結し、過去最強メンバーとなる可能性が高い。

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