逮捕の指示役、横浜の致死事件にも関与か 24年の首都圏連続強盗

2024年に首都圏で相次いだ「闇バイト」による強盗事件のうち、千葉県市川市の事件に指示役として関与したとして、警視庁などの合同捜査本部は5日、住所・職業不詳、福地紘人(ひろと)容疑者(26)=傷害などの罪で公判中=ら男性4人を強盗傷害と住居侵入の疑いで逮捕したと発表した。 捜査本部は5日午前に警視庁で記者会見を開き、4人を事件の「首謀者」と説明。事件で奪ったとされる金銭は、最終的に福地容疑者らに渡ったとみている。 関連事件は24年8~11月に東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県で18事件あり、これまで51人の実行役や現金回収役らが逮捕されているが、指示役は初めて。4人は、横浜市青葉区で住人の男性(当時75歳)が死亡した強盗致死事件や千葉県船橋市、白井市であった強盗事件にも関与したとみられる。 捜査本部は18事件の被害品は現金を含めて計2000万円相当に上るとしており、犯罪グループの指示系統や事件で得た金の流れなど、全容解明を目指す。 ほかに逮捕されたのは、いずれも職業不詳で、住所不詳の斉藤拓哉(26)=傷害罪で公判中▽住所不詳の村上迦楼羅(かるら)(27)=同▽仙台市青葉区上杉6の渡辺翔太(26)――の3容疑者。 逮捕容疑は、実行役らと共謀し、24年10月17日午前1時20分~2時45分ごろ、市川市の50代女性宅に侵入し、胸や顔の骨を折る全治2カ月の重傷を負わせ、現金約4万8000円やキャッシュカードなどを奪ったとしている。捜査本部は、4人の認否を明らかにしていない。 捜査本部や捜査関係者によると、4人のうち福地、斉藤、村上の3容疑者は、千葉県内での30代男性に対する傷害容疑などで24年11月7日に千葉県警に逮捕されていた。いずれも、韓国への出国直前に成田空港で身柄を確保されたという。4人はいずれも事件前からの知人同士で、一部は一緒にジムへ行ったり、バーベキューをしたりする関係だった。 警察庁は24年8月27日から連続した18事件を同一の指示グループによる事件とみている。実行役らが入れ替わりながら、福地容疑者らが逮捕される直前の11月3日まで続いた。 市川の事件では、実行役として20代の男性3人が強盗致傷などの罪で起訴された。また、奪った現金の回収役としてほかに男女3人が関与したとされている。このうち、藤井柊被告(27)と久保田陸斗被告(22)は、10月15日に横浜市青葉区で住人の男性(当時75歳)が死亡した事件に関与したとして強盗致死などの罪で起訴されている。 捜査本部は、4人が市川のほか複数の強盗事件で、実行役に対して襲撃前の集合場所や被害者宅の住所、奪った金品の受け渡し場所などを指示していたとみている。連絡には秘匿性の高い通信アプリが使われ、これまでに逮捕・起訴された実行役らの大半は、4人と面識がないまま事件に関与したとされる。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅、清水夏妃】

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