「このようなプレッシャーがかかる捜索は最初で最後です。」大阪府警捜査四課の警部補らが、家宅捜索中に捜査対象の男性に暴行したとされる事件の裁判。 裁判では警部補が「上層部がプレッシャーをかけてきて、できる限り応えなければいけない意識だった」と検察官に供述していたことが明かされました。 ■警察が捜査対象に暴行 起訴状によりますと、大阪府警捜査四課の警部補・時長力被告(51)は今年7月、女性を風俗店などに紹介する国内最大級のスカウトグループ「ナチュラル」の拠点とみられるビルの一室を家宅捜索し、捜査対象の男性に携帯電話の暗証番号を確認する際、顔を拳で押すなどの暴行した罪に問われています。 時長被告は11日の裁判で「間違いありません」と述べ、新たに別の男性への暴行について認めた形となりました。 ■男性「死を感じるなと思った」 被害をうけた20代の男性は当時、時長被告などから受けた暴行について死の恐怖を感じたとMBSの取材に話していました 「このまま殴られ続けたら死を感じるなと思った。なめてんちゃうぞみたいな感じで殴ってくる。殴られた時に身体を動かせば、抵抗と思われて殴られるし、だまっていても、だまってんちゃうぞボケと殴られるし、なにをしていても、殴られるというような状態」 男性はスマートフォンの暗証番号を教えることを拒否すると1時間半から2時間暴行されと訴えました。 「顔と脇腹もそうだし、腕もそうだし、足も物理的に殴られるスペースがあったら殴っておけという感じ。これ朝まで続くからな、終わらへんからなと」 ■「プレッシャーに応えなければ」 11日の裁判では、検察側の証拠調べで、逮捕後に時長被告が検察官に供述した内容も明かされました。 「四課や上層部がプレッシャーをかけてきたため、我々としても上からの強いプレッシャーに、できるかぎり応えなければいけないという意識だった」 「私もこのようなプレッシャーがかかる、やや無理筋に似たような期待を背負わされた捜索は今回が最初で最後です」 「今回の捜査に従事した捜査員は、普段はこのような行き過ぎた捜査を行っているとは考えられません」 供述調書でこのように述べたとされる時長被告。次回の12月24日の被告人質問で、どのように話すのか注目されています。