警視庁薬物銃器対策課は3日、俳優清水尋也容疑者(26=東京都杉並区)と同居する20代の女を麻薬取締法違反の疑いで逮捕した。同課によると、同容疑者は「大麻を持っていたことは間違いありません」と容疑を認めている。放送中のTBS系「日曜劇場」の連続ドラマ「19番目のカルテ」に出演中で、7日の最終回は15分拡大して放送予定。TBSは「(清水容疑者の)出演シーンをカットする方向で対応を進めている」とし、主要キャストの突然の逮捕を受け、編集作業などに追われた。 同課はこの日早朝、同容疑者宅を家宅捜索。テーブル上にあった大麻のような植物片や、吸引に使うとみられる巻き紙などを押収した。1月、容疑者が大麻を使用した疑いがあるとの情報を入手し捜査していた。常習的に使用していたとみて調べる。 逮捕時の状況から、尿検査も実施しているとみられ、鑑定結果次第で使用容疑も浮上する可能性がある。今後、裁判になり、押収された植物片が大麻だった場合、量によって量刑の重さも変わってくるが、初犯ということで懲役6月~1年6月、執行猶予2~3年程度になるとみられる。 同容疑者は同日夜、取り調べを受けていた警視庁本部から東京湾岸署に白いワゴン車で移送された。20人ほどの報道陣が集まったが、姿は確認できなかった。 清水容疑者は東京都出身。映画「乾き。」で注目され、映画「東京リベンジャーズ」にも「半間修二」役で出演した人気若手俳優の1人だった。所属事務所はこの日、「弁護士を通して事実確認を進めていく。ご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます」などの謝罪コメントを公式サイトで発表した。 「19番目のカルテ」は7月にスタート。主演松本潤が総合診療科の医師を務める病院を舞台に、初回視聴率は11・4%を記録した。清水容疑者は小芝風花演じる新米医師の同期として、内科医の重要な役を演じている。最終回前日の6日には、バラエティー番組「ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」にゲスト出演予定だったが、同じく出演シーンをカットして対応する。NHKも、29日放送開始の連続テレビ小説「ばけばけ」に同容疑者が出演予定だったが、取りやめると明らかにした。 ◆清水尋也(しみず・ひろや)1999年(平11)6月9日生まれ、東京都出身。兄の俳優清水尚弥の当時のマネジャーに誘われるなどして芸能界入り。12年に映画「震動」で俳優デビュー。「渇き。」「ちはやふる上の句・下の句・結び」など数々の映画に出演し、18年のテレビ東京系「インベスターZ」でドラマ初主演。21年NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で朝ドラ初出演。特技はサッカー、バスケットボール、楽器演奏など。186センチ。