3億円近くが詐取された事件で大きな展開があった。 福岡地検は12月11日、元大阪府寝屋川市議・吉羽美華受刑者(45)らが起こした事件の被害者へ約1億9800万円の給付金を交付すると公表したのだ。詐欺事件などの加害者から徴収した犯罪収益を分配する、被害回復給付金支給制度を利用したものだという。 「吉羽受刑者は新型コロナウイルスで業績が悪化した団体に対する融資制度を悪用し多額のカネをだまし取ったとして、’24年10月に詐欺の罪などで懲役10年の実刑判決を受けています。吉羽受刑者ら男女5人が、福岡県警に逮捕されたのは’22年8月。虚偽の説明をして3億円近くをだまし取ったとされるんです。 吉羽受刑者らは福岡県内の病院など複数の団体に対し、こうウソの提案をしカネを集めていました。『特別な方法で融資が可能になる。返済しなくても民事上の責任は負わないから、融資額の半分を払ってほしい』と。実際は、融資には返済が必要です。吉羽受刑者らは、各地でセミナーを開き同様の犯行を繰り返していたようです」(全国紙社会部記者) 『FRIDAYデジタル』は事件発覚直後から、吉羽受刑者について詳しく報じてきた。市議時代から「お騒がせ議員」として有名だった、彼女の素顔を紹介したい――。 ◆議員バッジは携帯電話のストラップに 「似ている女優は、波瑠さんて言われますね」 吉羽受刑者は、よく周囲にこう話していたという。 詐欺の疑いなどで逮捕された吉羽受刑者は、警察の調べに対し「1円ももらっていない」「巻き込まれただけ」と容疑を否認していた。だが、彼女は’07年の寝屋川市議初当選直後から「お騒がせ議員」として知られている。 「政治資金を集めるためという名目で、『Mika Yoshiba』という写真集を発売したんです。水着などの写真はありませんでしたが、女優の作品のような美しい中身。500部出版した1冊1000円の写真集は、たちまち完売し増刷をしたとか。 都内ではイベント運営会社を経営しており、かなり羽振りがよかったのでしょう。黄色いベンツで、たびたび登庁。こだわりがあるのか、議員バッジは胸元ではなく派手にデコレーションされた携帯電話のストラップにつけていました」(寝屋川市議会関係者) 吉羽受刑者の知人が話す。 「もう亡くなりましたが、食品関係の社長に可愛がられていましたね。社長に連れられて、東京や大阪で行われるいろいろなイベントに参加していました。芸能事務所のトップとも、交流があったようです。社長の誕生日パーティではマイクを持ち、お祝いの言葉を述べていました」 吉羽受刑者は法廷でも突飛な言動をとっていた。 「裁判長に『意見を述べてください』と問われると、大きな声で『起訴された事実はすべて争います! 私は詐欺を企てておりません!』と答えていました。自身の潔白を証明するためでしょう。服装は上下真っ白なスーツという『勝負服』。裁判長に職業をきかれ『市議会議員です!』と誇らしげに対応していたのが印象的でした」(全国紙司法担当記者) 羽振りのよさから一転、刑務所で贖罪の日々を過ごす吉羽受刑者。冒頭で紹介した給付金への申請は、’26年2月9日までとされる。