NBA、不正賭博防止に向けたポリシーを導入…“タンク”対策のルール変更も検討か

NBAは、スポーツベッティングの不正利用に対抗するため複数のポリシーを新たに導入する模様。12月20日(現地時間19日、日付は以下同)、現地メディア『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者が報じている。 報道によると、今回導入が進められているポリシーの中には、インジュリー・レポート(所属選手の出場可否に関わる健康状態の報告)におけるルール変更が含まれている模様。新たなルールでは、チームは試合当日の現地時間午前11時から午後1時の間にインジュリー・レポートの再提出が義務付けられ、その情報を15分ごとに更新しなければならないという。 今回のポリシー導入は、今シーズン開幕直後に逮捕されたテリー・ロジアー(マイアミ・ヒート)や、昨年リーグから永久追放処分となったジョンテイ・ポーター(元トロント・ラプターズ他)らが関与されていたとされる不正賭博の対策と見られる。ロジアーやポーターは、自身の健康状態に関する情報を外部に流出させ、出場した試合におけるプロップベット(得点やリバウンドなどのスタッツに対する賭け)の不正利用に関与していた(ロジアーは係争中であり、無実を主張している)。 リーグのポリシー変更に加え、NBAはFanDuel社などのスポーツベッティング企業に対してプロップベットにおけるルール変更も求めているという。その変更には「賭け金の上限額抑制」「アンダー(特定のスタッツにおいて、運営側が設定した値よりも下回る方へ賭けること)の賭けに対する制限」「ベット対象となる選手数の制限」「1プレーにおける特定の行動に賭けるといった問題のあるベット形式の廃止」が含まれている。 また、不正賭博の防止に限らず、NBAは「タンク」に対してもメスを入れるようだ。タンクとは、シーズン中にあえて試合に負け順位を落とすことでドラフトでの上位指名権獲得を狙うことであり、シーズン終盤にプレーオフ進出を逃したチームがあえて戦力を落としたラインナップで試合に臨み、試合開始前から“負けに行く”ような試合が散見されることも珍しくない。昨シーズン終盤の下位チームはクーパー・フラッグ(現ダラス・マーベリックス)の獲得に向けたタンクと見なされ、SNS上で“クーパー・チャレンジ”と揶揄されていたことも記憶に新しい。 タンク対策のポリシーについては明らかになっていないが、ドラフト指名権の保護条件(プロテクション)に関するルールの見直しや、ドラフト・ロッタリー制度の改定などが含まれている模様。

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