電車内で寝ていた人が床に落としたスマートフォンを盗んだとして、警視庁は住居不定、無職の男(78)を窃盗容疑で現行犯逮捕し、23日に発表した。「スマホにお金になるようなものが入っているかと思った」と容疑を認めているという。 捜査3課によると、逮捕容疑は、22日午前0時15分ごろ、JR山手線の秋葉原駅から神田駅の間を走行中の電車内で、飲み会帰りの男性(33)が落としたスマートフォン(時価約10万円)を盗んだというもの。スマホのカバー内には、現金2千円のほか、クレジットカードやキャッシュカードが入っていたという。 駅で警戒していた捜査員が、周囲を物色するような動きをしていた男を見つけ、追っていたところ、スマホを盗んだため現行犯逮捕したという。 また、警視庁は、20日午前10時ごろに走行中の東急田園都市線ですりをしたとして別の男(33)も現行犯逮捕し、23日に発表した。容疑を認め、「口が開いているバッグが目に入り、盗もうと思った」と話しているという。 人出が増える年末年始や忘年会シーズンを迎え、警視庁は、被害対策として、財布はバッグ内の荷物の一番下にしたり、混雑している場所ではバッグを前に抱えたりするよう呼びかけている。捜査幹部は、「貴重品を体から離さないことが大事」としつつ、「席に座ると寝込んでしまうので、眠気を感じたらあえて立って寝ないようにすることも手ではないか」と話した。(藤田大道)