国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」に捜査情報を提供したとして、地方公務員法(守秘義務)違反の疑いで警視庁暴力団対策課の警部補が逮捕された事件で、警視庁は23日、同庁警部補の神保大輔容疑者(43)を懲戒免職処分とした。また、直属の上司だった同課係長を戒告の懲戒処分とするなど10人超を処分した。東京地検は23日、容疑者を同罪で起訴した。 警視庁は今回の情報漏洩(ろうえい)事件について「結果が重大」と指摘。事件当時の幹部らのうち係長を最も重い戒告とし、暴対課長ら10人を警務部長注意などの「監督上の措置」とした。このほか、当時の組織犯罪対策部参事官も口頭厳重注意とした。 起訴状によると、神保被告は4月と5月、警視庁がナチュラル関係先に設置した捜査用カメラの撮影画像をグループ関係者に送信し、撮影の場所や範囲を教えた。7月にはカメラの撮影場所23カ所の住所などを記載した一覧表を提供したとされる。 被告は令和5年からナチュラルの捜査に従事。ナチュラルとの伝達手段には、ナチュラルの組織内連絡などで使う独自開発したスマートフォンアプリを使用。自宅の家宅捜索では、現金900万円が押収されている。