ドキュメンタリー映画「湯徳章」予告編解禁、ある弁護士の人生から台湾の記憶をたどる

台湾の弁護士・湯徳章(トゥン・テッチョン)のドキュメンタリー映画「湯徳章―私は誰なのか―」の予告編が解禁された。 1907年、日本統治時代の台湾で、日本人の父と台湾人の母のもとに生まれた湯徳章。警察官として社会に身を置くが、その後、日本にわたって司法を学び弁護士資格を取得し、台南に戻って弁護士として人々のため尽力した。1947年、二二八事件が勃発した際には身を挺して混乱の収拾にあたり、多くの市民を守った。しかし軍に逮捕され拷問を受け、町中を引き回されたうえで台南市の中心部にある民生緑園(現・湯徳章記念公園)で公開処刑された。40歳という若さだった。 台南には、湯徳章の名を冠した旧居や道路が残されているが、長きにわたる言論弾圧により事件にまつわる人や物事を語ることは禁じられた結果、多くの台湾人、さらには台南の地元住民でさえ、彼の人物像を知る者は少ない。 本作では彼と関わりのあった人々の証言や記録を紐解きながら湯徳章の人物像と人生の輪郭、さらには台湾の記憶もたどっていく。「湾生回家」を手がけた黄銘正(ホァン・ミンチェン)が連楨惠(リェン・チェンフイ)とともに監督を務めた。当時を再現するシーンでは、「親愛なる君へ」の監督であり俳優としても活躍する鄭有傑(チェン・ヨウジエ)が湯徳章を演じる。 YouTubeで公開された予告編には、現在の湯徳章記念公園や取材の様子が映し出され、湯徳章を知る人物たちの語りとともに、当時の写真と資料が収められた。 「湯徳章―私は誰なのか―」は2月28日より東京・ユーロスペースほか全国で順次公開。 ©2024角子影音製作有限公司

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