8月12日、在留期間が過ぎても残留していた外国人を自身の会社で雇用して就労させていたとして、埼玉県警浦和署は県内の会社代表の男性を入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕した。 5月23日には出入国管理庁が「ルールを守らない外国人により国民の安全・安心が脅かされている社会情勢に鑑み、不法滞在者ゼロを目指し、外国人と安心して暮らせる共生社会を実現する」と発表。 一方、9月に『パレスチナ占領』(ちくま新書)の出版も予定されているジャーナリスト・記者の平野雄吾氏の著書『ルポ 入管――絶望の外国人収容施設』(2020年、ちくま新書)では、人手不足の時代に日本の経済・社会を支えてきたのは非正規滞在の外国人労働者であることが指摘されている。 本記事では、同書から、当初は不法就労を「見て見ぬふり」してきた入管や警察が1990年代から取り締まりを厳しくした経緯や、1970年代の「マクリーン判決」が現在の外国人の法的地位に与えている影響について書かれた内容を、抜粋して紹介する。