ベネズエラ戦争を必要としたトランプ…首都空爆、大統領除去を敢行

新年最初の土曜日となった3日の午前2時ごろ(現地時間)、米国のトランプ政権がベネズエラ国内の主要施設に対する空爆を突如断行し、マドゥロ大統領とその妻を逮捕して国外に連行したというニュースが報じられたことで、トランプ大統領が取ってきたベネズエラに対する強硬路線の背景に関心が集まっている。米国内では、今回の空爆は単に軍事的に打撃を加えるにとどまらない、石油利権の保護、麻薬カルテルの掃討、移民の大量追放という様々な目的を同時に達成するために緻密に企画された紛争だとする分析が示されている。 ベネズエラの首都カラカス周辺で、爆発音と共に低く飛ぶ飛行機の音が聞こえるという報道が始まったのは、3日午前2時ごろ。午前3時30分ごろ、ベネズエラ政府は米国が首都カラカスなどの複数の州で民間施設および軍事施設を攻撃したとして、国家非常事態を宣言した。その後、米国CBSニュースは、複数の政府関係者の発言を引用して「トランプ大統領がベネズエラのカラカス近隣の軍事施設に対する空爆を指示した」と報道。トランプ大統領は午前4時21分に空爆を公式発表しつつ、「マドゥロ大統領と彼の妻が逮捕され、国外に移送された」と明らかにした。 ニューヨーク・タイムズによると、今回の事態の始まりは、昨年5月のメモリアルデー直前にホワイトハウスのオーバルオフィスで開催された秘密会合にさかのぼる。トランプ大統領は当時、自身が力を入れる法案「一つの大きくて美しい法案(One Big Beautiful Bill Act:OBBBA)」を可決させるために、キューバ系議員の票を切実に求めていた。マドゥロ大統領に反対するキューバ系議員たちは、マドゥロ政権の主な外貨稼ぎの手段の一つとされる米石油企業シェブロンのベネズエラ事業からの撤退を要求していた。しかしトランプ大統領は、シェブロンが撤退してその空白を中国が埋めることを懸念。ニューヨーク・タイムズは「ルビオ国務長官とミラー大統領次席補佐官が妥協案を提示した。シェブロンのベネズエラ石油事業の利権は維持して中国けん制の橋頭堡(きょうとうほ)を死守する一方、マドゥロ政権を『麻薬王』と規定し、軍事的打撃を加えることでキューバ系議員をなだめようという提案だった」と伝えた。 特にミラー次席補佐官にとっては、ベネズエラに対する攻撃は、移民政策を完結させる「法的道具」として受け止められたという。ミラー次席補佐官は、18世紀の法令である「敵国市民法(Alien Enemies Act)」に注目した。米国と戦争中、または米国に侵攻した国の国民を、裁判なしに直ちに拘禁・追放できるようにするこの法を発動するためには、ベネズエラとの「戦争」が必要だった。 実際に、2カ月後の昨年7月25日、トランプ大統領はラテンアメリカの麻薬カルテルに対する軍事作戦を命じる秘密指針に署名。米軍はその後、「第1段階」作戦として、海上で麻薬運搬の疑われる船舶を攻撃し、100人以上を射殺した。今回のカラカス空爆は、地上作戦を含む「第2段階」への転換を意味する。それはミラーの望む「戦争状態」を完成させるための手順だと解釈される。 ワシントン/キム・ウォンチョル特派員 (お問い合わせ [email protected] )

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