【社説】米国のマドゥロ大統領逮捕と移送、不法な「侵略犯罪」を糾弾する

米国が3日(現地時間)、ベネズエラに侵攻し、ニコラス・マドゥロ大統領夫妻を逮捕した後、米国に移送した。米国は麻薬密売とテロ組織の清算を名目に掲げたが、ベネズエラの領土と主権を侵奪した明白な侵略犯罪として糾弾されて当然だ。今回の侵攻は、19世紀以降、中南米に軍事介入してきた米国の過去の汚点を繰り返したもので、同地域の混乱を招きかねないという点で懸念される。 米国は150機以上の軍用機を動員して防空網を無力化させた後、特殊部隊を投入してマドゥロ大統領夫妻を拉致した。この過程でベネズエラの軍人や民間人など少なくとも40人が死亡したという。ドナルド・トランプ米大統領は今回の攻撃を「米国を中毒させる毒物(麻薬)に対する正当防衛」だと主張した。そして、「政権移譲ができるまで、我々がベネズエラを運営する」とし、必要ならば地上軍の投入も検討すると述べた。 今回の侵攻は、他国に対する武力行使を禁止し、主権尊重を明示した国連憲章に真っ向から違反したものだ。国連憲章第2条4項によると、いかなる国も自衛権の行使か国連安全保障理事会の承認を受けた場合でない限り、他国の領土で武力を行使してはならない。今回の攻撃はこれらに当たらない。アントニオ・グテーレス国連事務総長も国際法の規則を遵守していないと懸念を表した。米国は麻薬の流入で多くの米国人が死亡したという点を自衛権の根拠に掲げているが、これは事実を糊塗するものだ。多くの専門家は、米国で問題になる麻薬フェンタニルはベネズエラで生産されておらず、経由することもないという。またベネズエラはコカイン密売の中間経由地ではあるが、このコカインは主に欧州に流れるという。今回の侵攻は、直接的には世界最大の原油埋蔵地であるベネズエラの石油利権に介入しようとする思惑によるところが大きい。先月の国家安保戦略で明らかにしたように、西半球に対する統制力の拡大と同地域での中国排除という戦略的計算もうかがえる。 トランプ大統領の軍事的冒険主義は、ロシアのウクライナ侵攻に対する国際社会の対応力を弱めるだけでなく、台湾・南シナ海に対する中国指導部の戦略的判断にも良くない影響を及ぼしかねない。これらの大国が不法に隣国の首班を逮捕したとしたら、米国は果たして何と言えるだろうか。他の地域でも同様の侵略行為を煽りかねないという点で、不吉な先例になりうる。韓国を含む国際社会が、このような侵略は決して容認できないという点を明確にし、米国を糾弾しなければならない。 (お問い合わせ [email protected] )

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