米国の狙いはベネズエラの重要鉱物か ウクライナと同様のシナリオも

ベネズエラは、米国のサプライチェーン(供給網)多様化を目指すドナルド・トランプ政権の次の重要鉱物の供給源として、ウクライナと同様の道をたどるかもしれない。 ベネズエラは、石油、金、ダイヤモンド、ボーキサイトなど、豊富な天然資源を有している。ボーキサイトはアルミニウムの原料となる。同国はアルミニウムのほか、ベリリウム、鉛、マグネシウム、ニッケル、リン酸塩、プラチナ、チタン、ウラン、バナジウム、亜鉛といった重要鉱物資源も有している。 これらのベネズエラ産鉱物は、米地質調査所(USGS)の「2025年版重要鉱物一覧」に掲載された。米国の供給網にとって極めて重要な15種類のレアアース(希土類)を含む60種類の重要鉱物を列挙した新たな一覧が最近公表された。トランプ政権は、国内廃棄物からこれらの物質を抽出し、代替供給源を確保することで、中国の市場支配への依存を減らし、米国の重要鉱物の供給網を強化する取り組みを進めている。 米国がベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領とシリア・フロレス夫人を逮捕したことを踏まえると、米政府は今後、ベネズエラの新政権下で重要鉱物協定を結ぶための動きに出る可能性がある。そうなれば、トランプ政権はウクライナで進めている計画と同様の戦略を、ベネズエラの重要鉱物産業でも展開するだろう。 ■ウクライナの鉱物産業に対する米政府の戦略 米国務省は現在、ウクライナの重要鉱物産業の開発に向け、米企業の関心を調査している。同省は昨年12月11日、情報提供依頼書を発行し、今月15日を締切として、関心のある企業や個人などからの意見や提言を求めている。 同省は、この取り組みによって米国の重要鉱物の供給網の回復力を高め、米企業に商機を与えるとともに、ウクライナとの経済協定を結ぶことを目指していると説明している。「鉱業技術、加工設備、持続可能な採掘手法を専門とする米企業は、ウクライナの鉱物産業の近代化で極めて重要な役割を果たし得る。さらに米国の投資家は、ウクライナが規制枠組みを国際基準に適合させ、予測しやすく透明性の高い経営環境を創出する取り組みから恩恵を受ける可能性がある」 ■米政府がベネズエラで取るべき最初の一歩 米政府は同様の手法を用いて重要鉱物の供給網の多様化を進めるとともに、米民間企業との事業提携を通じてベネズエラの未開発天然資源を開発することができる。 恐らく米政府が取る最初の一歩は、ベネズエラにどのような種類の重要鉱物が埋蔵しているのかを確認することだろう。長年にわたる二国間の政治的対立により、ベネズエラの鉱物開発に関する米政府の公開地質情報の多くは古くなっている。存在する情報は石油に重点を置いており、現代の高度な先進技術に不可欠な希土類や重要鉱物について、米政府はほとんど把握していない。

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