「中南米最精鋭」キューバの屈辱…マドゥロ警護失敗で無敵神話が崩壊

米国がベネズエラのマドゥロ大統領を逮捕したことを受け、密着警護してきたキューバ情報機関の地位が大きく揺らいでいる。数十年間にわたり「中南米最精鋭」と呼ばれたキューバ情報機関はマドゥロ大統領を守れなかったうえ、要員32人を失うなど事実上惨敗した。 米日刊ウォールストリートジャーナル(WSJ)は5日(現地時間) 、「マドゥロ逮捕作戦はキューバ情報機関の脆弱性を表した事件」とし「キューバは最も重要な保護対象を失い、米国にいかなる被害も与えることができなかった」と評価した。 マドゥロ大統領はキューバ情報要員が最も重視して保護する人物だった。しかし3日午前2時ごろ、米特殊部隊がカラカスの安全家屋を急襲してマドゥロ大統領夫婦を逮捕し、数十年間続いてきたキューバ情報機関の「無敵」名声に亀裂が生じた。この過程でキューバの要員32人が死亡したが、米軍側の死傷者は一人もいなかったという。トランプ米大統領も「我々には犠牲者がなく、相手は多くの人員が死亡した。主にキューバ人兵士」と明らかにした。 キューバ情報機関は公式名称がディレシオン・デ・インテリゲンシア(Direccion de Inteligencia・DI)で、1961年のキューバ革命直後にソ連KGBの支援を受けて創設された。冷戦時代にフィデル・カストロ元国家評議会議長暗殺陰謀を遮断し、米高官を抱き込み、アンゴラ・パナマなど複数の国の首脳の身辺を保護し「ラテンアメリカ最高のスパイ組織」として名声を築いた。旧ソ連も中南米とアフリカ情報網構築の過程でキューバに大きく依存した。 同盟国保護、社会不安感知、反体制勢力抑圧に特化したキューバ情報機関の専門性は一種の「輸出商品」だった。ソ連崩壊以降、経済が急激に悪化すると、キューバは石油富国ベネズエラと密着し、政権維持の突破口を開いた。アスドルバル・デ・ラ・ベガ氏などキューバ高位情報・軍事関係者らがベネズエラに派遣されて警護チームを構成し、デ・ラ・ベガ氏はマドゥロに影のように随行して睡眠も隣室でとるほどの最側近として知られた。しかしマドゥロ大統領の逮捕以降、デ・ラ・ベガ氏の行方は確認されていない。 専門家らは今回の事態をキューバ情報機関の構造的限界が表れた事件と評価する。『キューバのベネズエラ介入』(Cuba’s Intervention in Venezuela:A Strategic Occupation with Global Implications)の著者マリア・ヴェルラウ氏は「これは明白なキューバの敗北」とし「安保と対応体系に深刻な弱点があることを見せた」と述べた。ホルヘ・カスタニェダ元メキシコ外相も「深刻な点はキューバが米軍にいかなる被害も与えることができなかったということ」とし「必要な戦力が適切に配置されなかったという意味」と指摘した。 今回の警護失敗はキューバ内部の政治にも負担となるという見方が出ている。WSJは「前例のない経済難の中でベネズエラの財政支援と安い石油供給が中断する場合、キューバ共産政権の維持基盤が揺らぐかもしれない」と分析した。米国に亡命した元キューバ情報要員も「国民の飢えも考えられ、抑圧機構は特権を維持してこそ体制が持ちこたえる」とし「経済的な余力が消えればいかなる政権も長くは続かない」と話した。 かつて中南米の情報網を主導して「階級以上の戦い」をしてきたキューバ情報機関は、今回のマドゥロ大統領逮捕作戦で冷戦時代から続いてきた神話を失い、内部衰退と外交・経済的孤立という二重の危機に直面した。

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