(CNN) 米情報機関のためにひそかに活動していたソ連やロシアの当局者の名前を漏えいし、多数の逮捕や処刑につながった米国史上有数の悪名高いスパイ、オルドリッチ・エイムズ受刑者が刑務所で死亡したことが分かった。84歳だった。 連邦刑務所局の報道官によると、エイムズ受刑者は5日、勾留下で死亡した。エイムズ受刑者は中央情報局(CIA)のケースオフィサーだった人物で、1994年にFBI(連邦捜査局)に逮捕され、スパイ活動罪で終身刑を受けていた。 メリーランド州の検視官が死因の特定を進める方針だという。 エイムズ受刑者は62年、下級の文書分析官としてCIAに入局した後、ケースオフィサーとして昇進を重ねた。専門は対ソ連工作だった。 司法取引の内容によると、エイムズ受刑者は85年、米首都ワシントンのソ連大使館に出向き、米国に対するスパイ活動を行うと自ら申し出た。その後、米国に機密情報を提供していた大勢の二重スパイが逮捕・処刑され、CIAやFBIの内部で警鐘を鳴らす声が出始めた。 CNNの大統領史の専門家ティム・ナフタリ氏は、CNNのオリジナル番組で、「オルドリッチ・エイムズ受刑者はソ連KGB(国家保安委員会)のケースオフィサーに協力者の名前の一部を漏えいし、彼らを死に追いやった」と指摘した。 エイムズ受刑者は長年のスパイ活動への見返りとして、ロシアや旧ソ連からおよそ250万ドル相当を受け取っていたと推定されている。 エイムズ受刑者は最終的に、情報源の喪失に関する調査を進めていた部局横断チームから疑いの目を向けられることになる。93年には、物理的・電子的監視手段を使ったFBIの行動調査の対象になった。 連邦議会の調査員からは逮捕後、「酒癖の悪さや保安規定の軽視、管理要件上のずさんさ」など、エイムズの受刑者の適格性に関する問題に対処できなかったとして、CIAを厳しく批判する声が出た。 エイムズ受刑者の事件の後には、米政府の人的情報源の相次ぐ死を招いたFBIの特別捜査官、ロバート・ハンセン受刑者も同様のスパイ容疑で逮捕された。これを受け、CIAとFBIは「内部脅威対策プログラム」を強化。これは機密情報にアクセスできる職員の金銭状況や渡航歴を厳しく調べ、ポリグラフ検査を増やして忠誠心や適格性を定期的に評価することで、国家機密を保護するという狙いだった。