イランで政権抗議拡大、全土でネットと電話回線遮断 米国に亡命の元皇太子がデモ呼びかけ

政府への抗議デモが続くイランで8日、インターネット接続と電話回線が遮断された。ネット監視団体「ネットブロックス」(英国)によると、遮断は8日午後に始まり、9日も続いている。デモ対応に苦慮する当局が情報統制を敷いたとみられ、同団体は「デモの報道などが制限され、国民の権利が奪われている」と指摘した。 デモは昨年12月下旬に首都テヘランで始まり、第2の都市マシュハドなど全土に広がった。物価高騰や通貨暴落、当局の弾圧に抗議するもので、SNSでは憤る国民が最高指導者ハメネイ師の打倒や自由を求める動画が拡散している。 在米人権団体「イラン人権活動家通信」(HRANA)によると、これまでに全31州でデモがあり、治安部隊との衝突で少なくとも42人が死亡。2200人以上が逮捕された。8日には多くの都市でネットや電力が遮断され、銃声が聞こえたと報告している。 ネットが遮断された前後には、イラン革命(1978~79年)で退位に追い込まれた故パーレビ国王の息子で、米国に亡命中のレザ・パーレビ元皇太子がX(旧ツイッター)で「偉大なるイラン国民よ、団結し要求を叫ぼう」とデモ拡大を呼びかけ、多くの市民が呼応したとの情報もある。 最高指導者のハメネイ師は3日の演説で、「抗議者たちとは対話すべきだが、暴徒は然るべき場所に追いやられるべきだ」とし、取り締まりを強化する姿勢を示した。ただ状況が収まる見通しは立っておらず、デモがさらに拡大すれば政治体制を揺るがす恐れもある。(桑村朋)

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