名張毒ブドウ酒事件、きょう11回目の再審請求 元死刑囚の96歳妹

1961年、三重県名張市で地域の懇親会で農薬入りのブドウ酒を飲んだ女性5人が死亡した事件があった。この名張毒ブドウ酒事件をめぐり、裁判のやり直しを求め再審請求中だった2015年に病死した奥西勝・元死刑囚(死亡時89)の遺族が第11次となる再審請求を22日、名古屋高裁に申し立てる。請求人となる遺族は、元死刑囚の妹の岡美代子さん(96)。 弁護団はブドウ酒のふたに封をしていた「封緘紙(ふうかんし)」に製造段階のものとは違う種類ののり成分が付着していたと主張し、別の人物が事前に封を開けて農薬を混入した可能性を指摘する考え。岡さんは「私の命のある間に無実を明らかに」と朝日新聞の取材に語った。 事件は1961年3月28日、名張市葛尾(くずお)地区の公民館で起きた。地域の懇親会で出されたブドウ酒を飲んだ女性17人が中毒症状を起こし、5人が死亡。殺人などの容疑で逮捕された奥西元死刑囚は起訴直前から否認に転じた。 一審・津地裁は無罪としたが、二審・名古屋高裁は死刑を言い渡し、72年に最高裁で確定。第7次再審請求で2005年、名古屋高裁が再審を認めたものの、翌年に同高裁の別の部が取り消した。第9次請求中の15年10月に奥西元死刑囚は肺炎で死亡し、翌月、岡さんが第10次請求を申し立てたが、24年1月に最高裁に退けられた。(石垣明真)

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