軽傷事故で過大請求か 自賠責保険会社が支払い拒否のケースも 福岡

自動車損害賠償責任(自賠責)保険の請求を巡り、行政書士が法律事務を繰り返したとされる弁護士法違反事件で、同法違反(非弁活動)容疑で逮捕された福岡市東区の「ピンチヒッター行政書士法人」副代表で行政書士の高萩慎司容疑者(46)が、軽傷事故でも自賠責保険の上限額(120万円)を請求していたことが捜査関係者への取材で判明した。事故との因果関係が認められず、自賠責保険会社に支払いを全額拒否されたケースもあった。福岡県警などは不適切な高額請求を繰り返した疑いがあるとみて捜査している。 捜査関係者によると、熊本市で2022年7月、停車中の車の後部に、別の車のミラーが接触する軽微な追突事故があった。被害車両の運転手だった20代の男性は整形外科で首や腰の捻挫と診断され、整骨院に通院した。 この整骨院と業務提携していた高萩容疑者は同年10月、男性と委任契約を締結。自賠責保険の上限額に近い額となるよう施術期間を4カ月間と記載して加害者加入の自賠責保険会社に賠償請求したが、「事故と治療の因果関係が認められない」として支払いを拒否されていた。 高萩容疑者は同社に異議申し立てをした上、23年7月には指定紛争処理機関の一般財団法人「自賠責保険・共済紛争処理機構」に紛争処理も申請したが、機構も支払い拒否が適正と結論付けたという。 高萩容疑者が自賠責保険会社への請求に使ったのは、被害者が直接賠償請求できる「被害者請求」という方法。迅速な賠償を受けるための制度で、請求通りに認められることが多いという。福岡県警などは、高萩容疑者が審査の通りやすい自賠責保険の仕組みを利用し、けがの程度に見合わない高額請求を繰り返していた可能性があるとみている。 高萩容疑者は23年5月~24年4月、20代の男性を含めた男女6人の依頼で自賠責保険を請求し、弁護士資格がないのに異議申し立てなど法律事務を繰り返して計数十万円の報酬を得た疑いで逮捕された。一部容疑を否認し「異議申し立てをして報酬を得たことは間違いないが、違法とは知らなかった」と供述している。【金将来】

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