東京・杉並区のアパート前で部屋の明け渡しの強制執行に訪れた男性2人が、住人である男に刺され、家賃保証会社の小栗壽晃さん(61)が死亡。東京地裁の男性執行官も襲われ、けがをして病院に搬送。命には別条はなかったが、刃物が背中に貫通した状態だった。 殺人未遂容疑の現行犯で逮捕されたのは、職業不詳の山本宏容疑者(40)。犯行後、山本容疑者は約600メートル離れた場所で、警察官に取り押さえられた。 捜査関係者への取材によると、山本容疑者は「自分の人生がどうなってもいいと思って2人を刺した。自宅を追い出されると金もないし、どうやって生きていいのか想像できず自暴自棄になった」と供述しているという。 今回の犯行が行き場のないがゆえの自暴自棄によるものだとするならば、そのセーフティーネットはどうなっているのか。訪れたのは、新宿にあるNPO法人Relight。ここは「見えないホームレス」と呼ばれる、インターネットカフェやマンガ喫茶で生活することを余儀なくされた人たちの支援をしている団体。その中には、今回のように家賃を滞納し、強制退去させられた人々も含まれている。 代表理事の市川加奈氏は「私たちに相談に来る方で言うと、結構若い方も多くて、20〜30代が6割7割なので、若年層も仕事が見つからないとか続かないとかで、家賃が払えなくてっていう方がいる」と語る。 そのような相談が月平均200件はあるという。しかし、相談に来られる人ならば手助けもできるのだが、「『まずは相談』とか私たちも言ってしまう時もあるんですけど、入居者さんの話だと、ここがダメだったら、断られたらもう本当に終わりなので、それが怖くていけないとか。いろいろな方がいらっしゃるので、一概に『相談をしよう』と言っても踏み出せない可能性はある」という。 助けを求めたくても声を上げられない人たち。「目の前の家賃滞納をなんとかしなきゃってなったら、例えばまずは消費者金融に行くだろうし、どんどん借金になれちゃって多重債務になっていく。家賃がまた滞納してしまったら、じゃあ闇バイトに行こうかとか……。すぐ稼げる方に行ってしまう」(市川氏) だからこそ、そこまで追い詰められる前に誰かが手を差し伸べられるシステムが必要だと市川氏は言う。しかし、「そんなに簡単に仕組みができないから、今多分こういう状況になるっていうこと。もうこういうケースは仕方ないよね、じゃあ警察の人たくさんつけて執行しましょうっていう風になるだけだと、やっぱり防げない。対症療法にしかならないので、1回誰かが入らないと難しいのではないか」と解決の難しさを明かした。 (『ABEMA的ニュースショー』より)