74年前に熊本県で役場職員が殺害され、殺人の罪に問われた男性の死刑が執行された「菊池事件」。熊本地裁は28日、男性の遺族が求めた再審=裁判やり直しの請求を棄却しました。 熊本地裁は、28日午後2時に菊池事件の再審請求を退ける決定書を交付しました。不当決定の旗が出された瞬間、熊本地裁の前に集まった男性の弁護団や支援者からは落胆の声が聞こえました。 菊池事件は1952年に熊本県の北部で役場職員が殺害されたもので、ハンセン病とされた当時29歳の男性が逮捕され、死刑が確定しました。 男性は再審請求を繰り返しましたが1962年に死刑が執行され、4回目の再審を遺族が求めていました。 男性の裁判は、ハンセン病を理由に隔離された「特別法廷」で開かれ、熊本地裁が2020年、この特別法廷を「ハンセン病を理由とした差別で憲法違反」と認めたことから、遺族の弁護団は「憲法違反の裁判はやり直すべき」と主張。また、有罪の根拠とされた「凶器」や男性の親族の供述には矛盾があるとも訴えていました。 一方、検察側は刑事訴訟法の再審の条件に憲法違反が明記されていないことから、「再審が認められる余地はない」と反論し、凶器や親族の供述についての弁護団の主張も否定していました。 28日の決定で熊本地裁は、弁護団の主張をいずれも認めず、再審請求を棄却しました。 弁護団は即時抗告する方針です。