2月28日、米軍とイスラエル軍の戦闘機がイラン各地の標的への攻撃を開始する数時間前に、予測市場プラットフォーム大手のポリマーケット(Polymarket)で新規に作成された複数のアカウントが賭けを行い、まるでこれから起こる事態を予見していたかのように多額の儲けを手にした。 ブロックチェーン分析会社バブルマップスによると、攻撃開始直前の24時間以内に資金が投入された6つのウォレットが「2026年2月28日までに米国はイランを攻撃するか?」との予測に対して「YES」に賭け、合わせて約120万ドル(約1億8900万円)の利益を得ていたという。 最大の単一ポジションは約6万1000ドルから49万3000ドルに膨れ上がり、わずか数日で821%のリターンを達成した。 ポリマーケットの取引台帳に記載されたオンチェーンデータの分析で、不審なパターンが確認されている。予測を的中させたウォレットのうち少なくとも2つのアカウント「Lettucehead718」と「suffix-295」は、2月27日に同じタイムスタンプで取引を実行し、2月28日の市場では数秒差で「YES」のシェアを購入していた。どちらもこれまでの取引履歴は10市場以下で、近い日付で少額の賭けを行っていた。ポリマーケットの動向を監視している専門家は、こうした取引を「デコイ(おとり)」と呼び、インサイダー取引を投機的なノイズに見せかける戦術だと説明する。 「イラン市場で常軌を逸したインサイダー取引があった」とポリマーケットのツール開発者であるgavelsvtwはXに投稿している。「5つ以上のウォレットが合計100万ドルの取引を完了した。他の日付におとり取引を散りばめていた。この1年間で見た中で最大のインサイダー取引だ」 インサイダーと疑われるウォレットには画一的な特徴がある。2月28日の市場で「YES」のシェアを購入した上位20人は、全員が4万2000~6万2000ドル相当のシェアを保有している。この集中状況からは、1人が複数のアカウントに資金を分散させて検知を回避していることが示唆される。 バブルマップスのニコラス・ヴァイマン最高経営責任者(CEO)は、この証拠には「共有するに足る説得力がある」と述べ、「新規に資金が投入されたウォレット」とタイミングの疑わしさを指摘した一方、こうしたケースで確証を得るのは困難だと認めた。分析で特定されたアカウントには、7件の賭けで17万3907ドル(約2700万円)を得た「Planktonbets」、400%のリターンで11万9964ドル(約1900万円)を手中にした「Dicedicedice」、900%のリターンで8万9000ドル(約1400万円)を稼いだ「Neodbs」などがある。 これとは別に「Magamyman」というアカウントは、イラン最高指導者アリ・ハメネイ師が攻撃開始前に暗殺されるか否かを予測する契約に賭け、55万3000ドル(約8700万円)を儲けた。このアカウントが上記の6つのウォレットと関連しているかは不明だが、その場合、2月28日夜のインサイダー取引が疑われる利益総額は175万ドル(約2億7500万円)を超える可能性がある。