2月21日朝9時、神奈川県警相模原南署から姿を現した水野圭隆容疑者(よしたか・45)は、着衣の上からでもパンパンに張った大胸筋が見てとれるほど、筋肉隆々の鍛え上げられた身体をしていた。短く刈り上げた黒髪の精悍な顔立ちはネットが「諜報員」「別班」などと、ザワつくのもうなずける。ただ、警官に連れられて歩くその表情はどこか不安げだった──。 神奈川県警は19日に水野容疑者を日米地位協定に伴う刑事特別法違反容疑で逮捕したと発表した。 「昨年の10月23日、偽造したIDカードで米軍横須賀基地に不法に侵入した疑いです。IDには米国籍の陸軍軍曹『MIZUNO YOSHITAKA ALEX』と記されていました。侵入後に基地内で米軍関係者向けのレンタカーを2週間借りて基地の外を走行していたとみられます。 都内で警視庁による駐車違反の取り締まりで捕まった際に、車が米軍ナンバーだったことから、免許証と偽造IDカードを提示。米軍に照会したところ、所属がないことが判明したために不法侵入の疑いが浮上しました。3月19日、水野容疑者は海外出張から帰国と同時に任意同行を求められ、その後逮捕されています。 これまでにも偽造IDで神奈川県内の米軍施設に複数回侵入した疑いもあり、基地内のホテルに数日宿泊していたこともあるようです。調べに対しては『米軍に憧れがあり、少しでも触れ合いたいと思い入った』と容疑を認めています」(全国紙社会部記者) 水野容疑者は住友商事の防衛・航空宇宙部門に所属しており、’23年からイラクに赴任。数ヵ月に1度帰国していたことも明らかになった。住友商事は自社の社員であると認め、〈ご心配、ご迷惑をおかけしていることを深くおわびする。警察の捜査に全面的に協力していく〉とコメントしている。 エリート商社マンが「米軍に憧れがあった」という幼稚すぎる動機から、人生を棒に振ってしまうような事件を起こしたことに、ネットでは〈某国のスパイでしょ?〉〈諜報員が駐車違反バレるの間抜けすぎる〉などの声があがった。ドラマ『VIVANT』(TBS系)に登場する自衛隊の秘密組織「別班」を連想した書き込みもあった。外国人がかかわるテロ事件などを担当する外事2課が捜査を担当していたことも“スパイ疑惑”の根拠の1つとなったようだ。さらに水野容疑者の経歴もスパイ説の信憑性を高める特殊なものだった。