1999年に名古屋市西区の自宅アパートで高羽(たかば)奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、名古屋地検は5日、殺人容疑で逮捕された同市港区の無職、安福久美子容疑者(69)を殺人罪で起訴した。地検は事件当時の精神状態などを調べる鑑定留置の結果やこれまでの捜査も踏まえ、刑事責任を問えると判断した。 起訴状などによると、安福被告は99年11月13日午後2時半ごろ、西区稲生町のアパートの一室で、現場にいた高羽さんの首などを複数回、刃物で刺して殺害したとしている。 安福被告は高羽さんの夫、悟さん(69)と高校時代の同級生。捜査関係者によると高羽さんとは面識がなく、悟さんに対して「子育ての苦労を分からせたかった」との趣旨の供述をしていた。当初は容疑を認めていたが、その後は取り調べに応じず「(悟さんの)名前を口にするのも聞くのもしたくない」などと話しているという。悟さんは5日、起訴を受け報道陣の取材に応じ「妻を殺す正当な理由などあるはずがない。警察からは私への謝罪がないと聞いている。自分の保身のために作った(私に非があるとする)ストーリーを崩さないためではないか」と語った。 安福被告は昨年10月31日、アパートに残っていた血痕のDNA型との一致が確認されたことなどから、殺人容疑で逮捕された。地検は昨年11月14日から2月27日まで、刑事責任能力を調べるための鑑定留置を行っていた。【丘絢太、塚本紘平、酒井志帆】