アメリカ軍用機に関する情報を漏洩した罪に問われていた元自衛官に東京地裁は懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。 航空自衛隊の一等空佐だった菅野聡被告(65)は2010年9月、アメリカ側から早期警戒機「Eー2D」の性能に関するデータを受け取り、2013年1月に商社社員にデータを漏洩した罪に問われている。 これまでの裁判で菅野被告は無罪を主張。 争点は、菅野被告が受け取ったデータが「特別防衛秘密」にあたるかどうかだった。 検察側は、データには「極秘」などと記載されていたとし、アメリカ政府の厳格な手続きを経た上で自衛隊基地で開かれた「Eー2D」に関する説明会のために作られたものだと主張。 説明会の場で菅野被告にデータが提供されたとして、「被告は単独で受領したため(特別防衛秘密の)手続きをせず自由に使いたいという心持ちだった」と指摘し、懲役4年を求刑した。 一方、弁護側は、「特別防衛秘密」に当たるかどうかは、資料に「秘密」と記載されているか否かではなく「日米間で『秘密である』と指定しているかによって決まる」と主張。 「菅野被告は、説明会とは別の日に米軍関係者から個人的な関係で受け取った」「正式な手続きはなかったため、特防秘にはあたらない」として無罪を訴えていた。 争点を整理する公判前整理手続きなどに4年半以上かかり、逮捕から判決までは6年間と異例の長期間となった事件。 判決を前に、菅野被告はFNNの単独インタビューに応じた。 菅野被告は検察が自衛隊基地での説明会でデータを受け取ったと主張している点について、「9月22日に(特防秘を)もらったと検察は言ってるんですけど、私は当日何ももらっていません」と否定した。 1990年代、「F2」戦闘機の日米共同開発に携わった経験があり、長年、自衛隊戦闘機のパイロットとして活躍してきた菅野被告。 警視庁公安部による捜査は寝耳に水で、一貫して無罪を主張してきたという。 争点である、「特別防衛秘密に当たるのか」という点について、菅野被告は、「(米軍関係者から)『今日の夕方は横田基地でパーティーがあるから府中基地に寄って所望のCDを渡す』と言われて、全く特防秘の手続きなんか無しで受け取った」(2330)「(米軍関係者からも)これは特防秘に登録する必要もない、特防秘じゃないという証言をもらっています」と完全否定した。 しかし、10日の判決で東京地裁は、有罪と判断した。 菅野被告は控訴する意向を示している。 (社会部司法担当・野﨑智也)