5年越しの異例の起訴、妻の殺害容疑で逮捕・釈放された男 当時否認

東京都国立市の集合住宅で妻(当時41)を殺害した容疑で2021年2月に逮捕され、処分保留で釈放された男(49)について、東京地検立川支部は17日、殺人罪で起訴した。捜査関係者への取材でわかった。 処分保留は、刑事訴訟法に基づく手続き。逮捕後の容疑者を勾留した事件について、期限までに起訴しない時は、検察官は、釈放しなければならないと定めている。処分保留が5年間継続した後に殺人罪で起訴されるのは異例だ。 捜査関係者によると、女性の死亡が確認されたのは、20年11月30日朝。国立市の集合住宅で、男から「妻が茂みに倒れている」という110番通報があり発覚した。 ■逮捕時に容疑否認 釈放から5年、続いた捜査 その3カ月後の21年2月28日、警視庁は、妻を殺害した疑いがあるとして男を殺人容疑で逮捕した。容疑は20年11月29~30日、集合住宅9階の自宅で、妻の首を殺意をもって圧迫するなどした後、ベランダから投げ落として殺害したというものだった。男は「何もしていません」と容疑を否認していたという。 東京地検立川支部は21年3月22日付で、起訴か不起訴の判断はせずに処分保留で釈放した。理由は明らかにしていなかったが、起訴するだけの証拠がないと判断したとみられる。 その後も警視庁捜査1課などは任意での捜査を継続。これまでの捜査を精査したり、遺体の状況をさらに詳しく調べたりした。 捜査関係者によると、法医学の専門家らに意見を聴くなどした結果、妻が死亡か気絶した状態で何者かにベランダから落とされたという疑いが強まったという。こうした状況を踏まえ、東京地検立川支部は、男を殺人罪で起訴することに踏み切ったとみられる。(長妻昭明、藤田大道、吉村駿)

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