WBCの熱狂が過ぎ去り、ついに’26年のプロ野球レギュラーシーズンが開幕。 毎年、この時期にはテレビや新聞でさまざまな野球評論家が順位予想を繰り広げるが、FRIDAYはそれらとは異なるアプローチを取ることにした。野球のプレー結果を統計学的に分析し、選手の能力や貢献度を客観的に評価する「セイバーメトリクス」の手法を用い、主観を排除した″科学的な成績予想″をもとに、ペナントレースを占うのだ。 具体的には、データの運用などを行う株式会社『DELTA』に協力を仰ぎ、過去3シーズンの各球団の情報を徹底的に分析。そこから導き出された「WAR(Wins Above Replacement)」という指標から、各チームの予想勝敗数を算出する。『DELTA』のアナリスト・宮下博志氏が話す。 「WARとは、『一人の選手が、控え選手と比較してチームの勝敗をどれだけ増やしたか』を表す数字です。たとえば、ワールドシリーズ連覇を果たした昨季のドジャースの大谷翔平(31)が記録したWARは9.4。たった一人でドジャースに9〜10の勝ち星を上積みしたことになります。 こうした各個人のWARを合計したものに、ベースの47勝を足し合わせた数値が、その球団の予測勝利数となります。合計WARが28なら、そのチームはシーズンで75勝するという計算です」 投手の個人WARは奪ったアウトの数や奪三振、被本塁打、与四死球の数などから算出され、野手WARは守備、走塁、打撃の総合値で算出される。2.0でレギュラークラス、5.0でオールスタークラス、6.0以上でMVP級の活躍とされており、日本球界では1.0あたり年俸1億円の価値があるのだという。 今回は直近3年間(’23〜’25年)のデータをもとに計算しているため、昨年に大ブレイクした選手のWARはやや低めに算出されていることを付記しておく。たとえば、昨シーズンに巨人の正遊撃手として打率3割を記録し、ゴールデン・グラブ賞を獲得した泉口友汰(いずぐちゆうた)(26)は、WAR6.1を記録したが、’23年は入団しておらず、’24年は控え選手だったことから、「昨年以上の成績を残す可能性は高くない」という予想だ。 さっそくセ・リーグから見ていこう。村上宗隆(26)のメジャー挑戦で主砲を欠くヤクルトは、2年連続の最下位筆頭候補だ。 「内山壮真(23)や塩見泰隆(32)などケガ人が多く、山田哲人(33)、ドミンゴ・サンタナ(33)やホセ・オスナ(33)ら中軸の年齢層が高い。村上が抜けた穴を埋める好材料がありません」(前出・宮下氏) ’24年にリーグ3位から″下剋上″の日本一を達成し、昨季もリーグ2位に入ったDeNAは、なんと5位の予想だ。 「投手陣を支えたトレバー・バウアー(35)、アンドレ・ジャクソン(29)、アンソニー・ケイ(31)、ローワン・ウィック(33)という4人の外国人が抜けたことが大きい。阪神から移籍してきたジョン・デュプランティエ(31)一人では、その穴を埋めることは難しいでしょう。タイラー・オースティン(34)が抜けた打線を、牧秀悟(27)や筒香嘉智(34)ら長距離ヒッターたちがどれだけ盛り上げられるかにも注目ですね」(ベイスターズOBで野球解説者の高木豊氏) データはDeNAに残酷な現実を突きつけている。 「筒香や宮﨑敏郎(37)といったベテラン選手は出場機会が減ることが予想されます。森敬斗(24)や度会隆輝(りゅうき)(23)など期待の若手が伸び悩んでいるのも、5位予想の要因です。打線は牧や筒香への依存を脱却できるか、投手はWAR2.2予想の東克樹(30)以外に新たな柱を作れるかが課題です。藤浪晋太郎(31)は、データ的に見ると先発よりも1イニング限定向きの投手……。四死球が多いとローテーションピッチャーとしては計算しにくいんです」(前出・宮下氏)