「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家、野崎幸助さん(当時77)が急性覚醒剤中毒で死亡したことをめぐり、殺人罪などに問われた元妻の須藤早貴被告(30)について、大阪高検は6日、一審に続いて無罪とした大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。 大阪高検の畑中良彦・次席検事は「上告審で適正な判決を求めるため、本日上告の申し立てをした」とコメントした。 野崎さんは2018年5月に和歌山県田辺市の自宅で死亡した。死亡当日に自宅で2人きりだった須藤被告が、致死量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして逮捕・起訴された。しかし一審・和歌山地裁の裁判員裁判は、野崎さんが自ら覚醒剤を入手して過剰摂取した可能性も残るとして無罪とした。 3月23日の高裁判決は、事件前に「覚醒剤 過剰摂取」と検索していた点などの「犯人と強く疑わせる事情」は複数あるとする一方、それらを慎重に吟味した上で「間違いなく犯人だとまでは言えない」とした一審の判断は、不合理で許容できないものではないとして無罪を維持した。(遠藤美波)