《京都小6事件》父親の逮捕前から「殺人犯扱い」したX投稿とデマ拡散…ネット探偵の“重罪ぶり”を弁護士解説

京都府南丹市で、行方不明になっていた安達結希さん(11)の遺体が4月13日、山林から見つかった事件で、15日、京都府警は父親である安達優季容疑者(37)を死体遺棄の疑いで逮捕した。発表されたのは深夜にもかかわらずSNS上でも反応する声が続出。16日午後の時点では殺害についても認める供述をしているという。 「今回の、SNSでの追いかけ方は異常だった」と、事件発覚から現在までを追っていた全国紙社会部記者が今回の件について振り返る。 「結希さんは、3月23日に父親が小学校のそばの駐車場へ送り届けたあと、行方がわからなくなったとされ、防犯カメラや通行人など、どこにも結希さんの姿の目撃情報がなかったことから、その不可解さに関心が集まりました。 同月29日には通学かばん、そして4月12日には結希さんのものとみられるスニーカーが発見されたものの、それらが見つかったのはいずれからも数キロ離れた場所。謎が多かったため、結希さんと最後に接した父親をはじめ、結希さんの家族情報や住んでいる地域の情報に至るまで、さまざまな情報が飛び交いました」(前同) 考察めいた憶測も多く、16日に京都府警は《共犯はいないと認識している》と説明しましたが、真偽が全く不明の“複数犯説”や、実際は無関係と思われる動画を引用しながらの複数のデマも出回っていたというのだ。 「暴露系アカウントが発信したもののなかには、数千ものインプレッションを得る投稿もあるほか、“話題のニュース、事件をリアルタイムで速攻で解説します”というアカウントは、《※あくまでもネットで噂されている情報です》とことわりを入れつつも、父以外の関係者についてのことも投稿するなど、真偽不明の内容をアップしていました。 なお、投稿のツリーで“探偵”のようだといった指摘がなされると、《週刊誌、元刑事、ネットの名探偵がポストした内容をまとめただけ》と、自分は紹介しているだけというスタンスを見せましたが、当該投稿は約720万以上の表示と、大きな拡散につながっています。当時、真偽不明だった“殺人事件説”を唱えた投稿は2800万以上ものインプレッションを稼いでいます(どちらも16日時点)」(同) 悪質な “デマ拡散”の法的リスクについて、弁護士法人ユア・エース代表の正木絢生弁護士に話を聞いた。なお、本稿においては、発信時に真偽不明の情報は「デマ」としている。 「『考察』や『推測』という形を取っていても、読者に対して特定の人物が“事件に関与したのではないか”“不適切な行為をしていたのではないか”といった具体的事実を受け取らせ、その人の社会的評価を下げる内容であれば、法的には名誉毀損にあたる可能性があります。 大事なのは表現のラベルではなく、実質として何を伝えているかです。断定していなくても、真偽不明の情報を強い拡散力を持つアカウントが広めれば、読み手には“相当な根拠がある話”のように映りやすく、被害も深刻になります。そのため、裏付けの乏しい疑惑を『考察』として流す行為でも、内容次第では十分に法的責任を問われ得ます。 なお、発信した情報が真実であれば、又は真実に足りる理由があれば、他の要件(公共性と公益性)も満たすことを条件に、違法性が否定され犯罪が成立しませんが、発信内容が後日たまたま真実であったとしても、発信時に真偽不明との認識があったのであれば、発信内容と他の要件(公共性と公益性)との総合判断にはよりますが、違法性の程度に影響することがあっても、違法性が否定されない可能性は高いです」

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