さようなら、“私の”社民党 党首選挙で露呈した「マッチョな空気」に思う「女性の時代」の終焉 北原みのり

さようなら、“私の”社民党。 そんな言葉がつるんと思わず口から出てきてしまった、社民党党首選挙だった。私には投票権もなく、ただただ外野として見ていただけだが、私が選挙権を得てから長い間投票し続けてきた党の終焉を見るような、そんな淋しさにかられている。 社民党は次の参議院議員選挙で得票率2%以上を獲得するか、国会議員5人以上にならないと、公職選挙法が定める国政政党としては終わる。そして今のままでは多分終わるだろう……という厳しい岐路に立たされている。そういう中で13年ぶりの党首選挙は、2回にわたって行われた。福島瑞穂さん、大椿裕子さん、ラサール石井さんの3人の候補者で争われた1回目の投票では、誰も過半数を取れず、上位2人の福島さんと大椿さんで争われた再選挙で、福島さんは党首の座を守った。 残念ながら選挙中に行われた討論会(ネットやラジオで行われた)も多くの注目を集めることはなく、むしろ話題になったのは、福島さんが党首に再選された後の記者会見だ。記者から大椿さんとラサールさんにコメントが求められたにもかかわらず、司会の男性が「党首の質問に限る」と2人に発言をさせず、福島さんも「今日は私の党首就任の記者会見なので」として司会に倣い、それに苛立った大椿さんが“呆れ笑い”を放ち、あからさまな怒りを表明し席を立った。 SNS上では大椿さんに発言させなかった福島さんを批判する声も大きいが、私は、これは社民党内のマッチョな空気が最悪な形でトドメのように露呈したのだと思った。 私にとって社民党は「女性の味方」という期待を抱かせてくれた党だった。堂々としたおばさまが、堂々と女性の人権を口にする党。ああ、なんて素敵なんでしょう♡ それはもちろん、土井たか子さんが作り上げた実質の伴ったイメージである。 ちょうど40年前、1986年に社会党の委員長になった土井さんが生み出した時代の風を、高校生だった私が社会の空気として感じることができたのは、今となって思えば幸福なことだった。あの時代の10代の女の子たちは、「これからは女性の時代だよ、あなたたちに私たちのような苦労はさせないよ」と、上の世代の女性たちから祝福されていたのだ。日本で初めて国政政党の党首に女性が就いたあの時代、政治的なイデオロギーを超えて女性たちが土井さんに熱狂した。そういう意味で、女性首相がいる2026年よりもずっと、女性たちは政治を身近に感じていたはずだ。

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