アパートで違法風俗 海外拠点トクリュウか…岐阜県警に逮捕の男、指示役と面識なく

岐阜県北方町の住宅街の一角にある古びたアパート。近くには公園もあるこのアパートの一室で、女性に性的サービスを提供させたとして、名古屋市の会社員の男が風営法違反容疑(禁止区域営業)で岐阜県警に逮捕された。男は店の売上金や備品の管理をしていたとみられる一方で、経営者とは面識がなく、SNSで指示を受けていたといい、県警は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が風俗営業をさせていたとみて、捜査を進めている。 ■中国のSNS使用 男は、風俗営業禁止区域内の北方町のアパート一室で、女性従業員に性的サービスをさせ、店舗型性風俗店を営業したとして県警に逮捕された。22日、岐阜区検に同法違反で岐阜簡裁に略式起訴され、同簡裁が同日、罰金50万円の略式命令を出した。 捜査関係者によると、男は、この風俗店をインターネットなどで知り、常連客になった。その後、経営者側とは面識がないまま、何らかの方法で管理する側に勧誘され、応じたという。店舗に住まわせていた女から売上金を回収したり、備品を調達したりしていたとみられるが、経営者側とはその後も会うことはなかったという。指示は、中国のSNS「微信(ウィーチャット)」で受けており、男は、経営者が中国人と名乗っていたと供述していた。 県警の捜査員の一人は、「本当に海外に指示役がいるのであれば、違法な収益が海外にも流れていることになる」と危機感を示す。 ■来日外国人が接客 男らが性的サービスをさせていたのは、観光ビザで来日した外国人の女とみられている。 女たちは来日した後、1~2週間滞在する間に違法風俗店で働き、帰国する。店では、女性が入れ替わっていくため、県警でも実態把握が難しい面がある。 女たちが「TikTok(ティックトック)」上に出てくる性風俗の求人広告をクリックすると、「ライン」に誘導される。このラインを経由し、「ウィーチャット」を使うよう指示される。その後、ウィーチャットには、店の住所などが送られてくるため、指定された住所地に向かい、性的サービスを提供していたという。 求人広告には、働き先として、日本のほか、シンガポールなどが載っていたという。店の1日の売り上げは約10万円で、そのうち5~6割が女たちの手に渡っていたとみられている。 実際、北方町などで性的サービスをしたとして、2月に県警に風営法違反(禁止区域営業)の疑いで逮捕されたタイ国籍の20歳代の女2人も経営者側と接することはなかったという。 ■住人に不安広がる 看板も出さず、どんな地域にでもあるようなアパート一室で行われている違法な風俗営業。ほかの部屋の住人や、近隣の人たちは、身近な場所で行われている犯罪行為に、「不安だ」と眉をひそめる。 北方町のアパートの住人男性(65)は「去年の秋頃から今年1月頃まで、仕事から帰宅すると、知らない車が入れ代わり立ち代わり駐車していた。会社の社宅か何かかと思ったが、まさか風俗とは思いもつかなかった」と困惑していた。 似たような形態の風俗店は、同県瑞穂市や岐阜市など計6店舗あるだけでなく、県外にもあるとみられている。 県警は、男のように売上金の管理などをする役目のほかに、電話の受け付けや、場所の提供など、複数の人物が関わっているとみており、売上金の流れなどを調べ、経営者を特定して摘発するなどの「突き上げ捜査」を慎重に進めている。

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