記者夕食会襲撃の容疑者、SNSの投稿内容に変化 ビデオゲームから政治への怒りへ

(CNN) 25日夜に発生したホワイトハウス記者協会主催の夕食会での襲撃事件で訴追された容疑者は、トランプ米大統領をアドルフ・ヒトラーに例える投稿を共有し、トランプ政権を批判する人々に銃の購入を促していた。容疑者のものとみられる二つのソーシャルメディアアカウントをCNNが調査したことで明らかになった。 トランプ氏の暗殺未遂の罪に問われたコール・トマス・アレン容疑者(31)は27日に初出廷した。同容疑者に関連付けられた当該のアカウントは近年、ビデオゲームに関する投稿から、より強い怒りを含んだ政治的メッセージへと変化していた。 これらの投稿は、アレン容疑者が襲撃前に家族に送ったとされるメッセージの内容とも一致している。そのメッセージには、トランプ政権の閣僚らを標的とする計画が記されており、彼らの行動に対する怒りが表明されていた。 捜査当局はこれらの投稿やここ数日間に押収された複数の電子機器から得られた情報について、アレン容疑者がトランプ氏とその政権に対して抱いていた敵意を示しているとみている。捜査に詳しい情報筋がCNNに語った。 司法省の高官はCNNに対し、アレン容疑者がX(旧ツイッター)で「CForce3000」というアカウント名を使用していたことを確認した。同アカウントは現在削除されているが、CNNはインターネットアーカイブのウェイバックマシンに保存されている4000件以上の投稿を検証した。 またCNNは、ソーシャルメディア「ブルースカイ」上の現在非公開となっているアカウント「@coldforce.bsky.social」から、700件以上のアーカイブされた投稿も確認した。このアカウントもアレン容疑者のものと考えられる。投稿されていた経歴情報が本人の経歴と一致する他、ユーザー名や投稿内容がXのアカウントに類似していることがその理由だ。アレン容疑者が家族に送ったとされるメッセージの末尾には、ニックネーム「coldForce」が記されていた。 X上では、アレン容疑者は2022年に主にビデオゲームに関する投稿を行っている。アカウントが削除される前には、人気ゲームに関する数十本のショート動画を掲載した自身のユーチューブチャンネルをチェックするようユーザーに勧めていた。 24年までにアーカイブされたツイートからは、アレン容疑者が他のユーザーから政治的なコンテンツを再共有していたことがわかる。具体的にはトランプ氏をヒトラーに例える投稿や、同年の大統領選の結果を無効にするよう訴える投稿をX上で繰り返しリツイートしていた。ペンシルベニア州バトラーでトランプ氏に対する暗殺未遂事件が発生した後、アレン容疑者は、その襲撃が仕組まれたものだった可能性があると根拠なく推測する投稿をリツイートした。 一方ブルースカイへの投稿は、トランプ氏の大統領2期目が始まって数週間後の25年2月頃から始めたようだ。当該のアカウントはトランプ政権の政策を頻繁に批判し、もっと権力のある人物らがトランプ氏に対して行動を起こさないことを嘆いていた。 ブランチ司法長官代行は27日、司法省の他の高官らとの記者会見で、捜査当局がアレン容疑者と左翼団体との関連性を調査していると述べた。ただ同氏が容疑者の投稿内容について具体的に質問されることはなかった。 上記のアカウントは一部の投稿やリポストを通じ、銃の所持や購入を推奨している。25年12月には「銃を買うのに最適な時期は数日前だった」と書き込み、「次に最適なのが今日だ」と付け加えた。 先月、同アカウントはトランプ氏を米国の「裏切り者」だと非難する投稿も行った。 「裏切り者が政権に返り咲けば、裏切り行為が起きるのは当然だ。米国が自ら分裂していくのをなぜ人々が驚いているのか理解できない」「裏切り者が舵(かじ)を取っている以上、そういう結果が想定されるに決まっている」。当該のユーザーはそう綴(つづ)っている。 アレン容疑者はロサンゼルス郊外のトーランスで非常勤の家庭教師を務めていたが、こうしたオンライン上のメッセージは本人が生徒たちと実際に交わしたやり取りの内容とは対照的だ。 アレン容疑者が指導していた高校生が所属するボランティア団体「アジアン・アメリカン・シビック・トラスト」の創設者、ディラン・ワカヤマ氏によると、話を聞いた生徒たちは同容疑者の逮捕に衝撃を受けていたという。ある生徒は、2週間ほど前にアレン容疑者の授業を受けたばかりだとワカヤマ氏に話した。別の生徒は、アレン容疑者から指導を受けた兄弟から容疑者のことを知的な人物と聞いていたことを明らかにした。 「トーランスの誰もが、この一連の事態に衝撃を受けている」(ワカヤマ氏) 訴追状によるとアレン容疑者は逮捕後、黙秘権を行使した。勾留審問のため30日に再出廷する見通しだ。

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