市議への6千万円、企業の下請け協力で捻出か 熊本・新庁舎収賄事件

熊本県八代市が発注した新庁舎建設工事をめぐり、落札した企業から6千万円を受け取ったとして市議が逮捕された事件で、この企業が複数の下請け業者に協力させて現金を捻出した疑いがあることが捜査関係者への取材でわかった。6千万円について、警視庁は市議らが図った便宜への謝礼だったとみている。 警視庁捜査2課によると、この企業は準大手ゼネコンの前田建設工業(東京)。市議の成松由紀夫容疑者(54)は2016~19年ごろ、同社側から依頼を受けて入札で有利にすることや利益を増やすことを市側に働きかけ、その見返りとして現金6千万円を21年6月に同社から受け取ったとして、あっせん収賄容疑で逮捕された。 ■現金6千万入りのスーツケース、市議自ら先導か 捜査関係者によると、ともに同容疑で逮捕された土木会社役員の園川忠助容疑者(61)が、成松市議への謝礼を6千万円と決め、前田建設工業九州支店の社員に伝えた疑いがあるという。支店側は現金を捻出するため、複数の下請け業者に協力を依頼したが、依頼を断った業者もいたという。 また、園川容疑者は同社支店社員2人に対し、現金の受け渡し場所として元市議の松浦輝幸容疑者(84)=同容疑で逮捕=の自宅を指定。社員は現金をスーツケースに入れて運び、成松容疑者の車で先導されながら受け渡し場所まで移動したとみられる。現金はその後、成松市議へと渡った。 成松市議は今年4月に会見を開き、市側への増額などの指示や金銭の授受を否定。「(疑惑は)でっち上げだ」と主張していた。 事件をめぐっては、同社支店幹部らが関与した疑いがあるが、現金を渡したとする行為については、贈賄罪の公訴時効(3年)がすでに成立しているという。 前田建設は、現金6千万円の原資についての取材に対し、「捜査への影響を鑑み、現時点で質問への回答は差し控えさせていただきます」と回答した。(板倉大地、西岡矩毅)

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