『銀河の一票』面白さがどんどん加速…黒木華&野呂佳代をも食う「松下洸平」のクセになる胡散臭さ

ブロガーのかんそうさんが毎週1回『ふたまん+』にてお送りする、ドラマへの熱い“感想”。今回取り上げるのは、黒木華さん主演の『銀河の一票』(フジテレビ系)。松下洸平さん演じる若手政治家・日山流星の“絶大なる存在感”に注目します。 ドラマ『銀河の一票』(フジテレビ系)がマジで素晴らしい。確実にドラマ好きの間で言われているジンクス「政治ドラマだいたいつまらない」のレッテルを覆す勢いで、毎話尻上がりに面白くなっている。 黒木華演じる与党幹事長の娘で元秘書の星野茉莉(まつり)が、政治家の不正告発文をきっかけにすべてを失い、偶然出会った政治素人のスナックママ・月岡あかり(野呂佳代)を都知事候補に担ぎ上げる、というブッ飛んだ展開。茉莉は父の不正を暴こうと独自に動くが、それが露見して秘書をクビにされ、家も追われる。落ち込んだ彼女がスナック「とし子」で出会ったあかりの人間味に触れ、「この人にしか託せない」と都知事選出馬を迫る物語だ。 なんで街のママを都知事候補に担ぎ上げるのか、唐突すぎるだろ、無理だろと若干思わなくもないが、納得させられるだけのパワーがある。とにかく茉莉は、「いつか都知事になる」という叶わぬ夢、いや絶対に叶えたい夢をこの女に託しているのだ。 そして、このことの最大の障壁となるのが、都知事選への出馬が決まった政治家「日山流星」……与党の若手ホープとして圧倒的な支持を集め、茉莉の幼なじみであり兄のような存在だった男……ある意味で「対抗馬以上」に重要なポジションでもある。 その男を演じている「松下洸平」の存在感が回を重ねるごとに増している。 『MIU404』『最愛』『いちばんすきな花』『光る君へ』『豊臣兄弟!』と、これまでのドラマで見せた松下洸平も頭おかしくなるくらい魅力的だったが、最近の『銀河の一票』における「民政党若手ホープ議員・日山流星」は、もう今すぐにでも国民的俳優に推したほうがいい。アホと情熱、そして腹黒い計算が一つになったその存在こそ、松下洸平。あまりにも絶妙すぎる。 特に第5話は衝撃的だった。流星の壮絶な過去が明かされるシーン。父親の工場倒産、母の家出、父に包丁を突きつけられ「一緒に死のう」と言われた絶望の夜。「ひとりで死ね」と捨て台詞を吐いて裸足で逃げ出し、交番に向かおうとするも親が逮捕されるのを恐れてやめ、さまよいながら街頭演説中の若き政治家・鷹臣(=茉莉の父)に遭遇する。そして「その瞬間、俺の可哀想は物語になった」という流星の独白。ただの過去回想じゃなく、生き延びるための処世術を体現していて鳥肌ものだった。ただのアホではなかった。 だが、同時に日山流星から常に漂うあの「胡散臭さ」が最高に気持ち悪いくらい素晴らしい。 笑顔の裏に隠れた計算、誠実さを装いつつ、当選のためなら手段を選ばない冷徹さも併せ持つ。松下洸平はそれを一切大げさにせず、自然に、でも確実に、視聴者に「この男、信用しちゃダメだ」と感じさせる。 胡散臭いのに嫌味じゃない。胡散臭いのに引き込まれる。むしろその胡散臭さが、流星というキャラクターの魅力の核になっている。過去のハードモードを自分でストーリー化して生き延びてきた男だからこそ出せる、計算され尽くした胡散臭さ。それを松下洸平が完璧に体現しているからこそ、ただの悪役やライバルじゃなく、忘れられない存在になるのだ。

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