プロ野球・巨人の前監督、阿部慎之助氏が長女への暴行容疑で現行犯逮捕された件では、長女がチャットGPTに相談し、児童相談所に連絡したという経緯が注目を集めた。AIを行動の拠り所にする若者が増えている。「リスク」はないのか。 * * * ■日常的にチャットGPTを使うけれど… 「正直、かわいそうだなと思いました。あんなふうに逮捕されて、監督も続けられなくなって……。もし娘さんにケガがなくて、『過度な説明』だったとしたら、あまりに厳しすぎるんじゃないかと思いました」 そう話すのは、20代前半の社会人女性だ。阿部慎之助氏をめぐる報道を見て、「あまりにかわいそう」と感じたという。 女性自身、日常的にチャットGPTを使っている。会議資料の要点整理から、体調が悪いときの対処法、友人とのメッセージの言い回しまで、思いついたことを気軽に投げかける。チャットGPTに質問を打ち込めば、すぐに文章で応答してくれる。 だが、その回答に無条件で従うことは「ない」という。 ■判断し、責任を取るのは結局「自分」 「たとえば、チャットGPTに『上司が厳しくてつらい』と相談すれば、『人事部に相談して、会社に問題提起するのも手』みたいに提案してきたりもする。だけど、それが自分にとっての正解で、現実によい結果になるとは限らないじゃないですか」 チャットGPTがどう返答したとしても、どうするか判断し、責任をとるのは、結局のところ「自分だと思う」という。 「でも、Z世代には、ああいうふうにAIを信じすぎちゃう子、たくさんいると思うんです」 ■Z世代とチャットGPT AIとZ世代の関係に注目するのは、若者研究の第一人者である原田曜平・芝浦工業大学教授だ。原田教授は20年以上にわたり若者の価値観や行動様式を調査してきた。 「Z世代は他の世代に比べて、圧倒的にチャットGPTを使っています」(原田教授、以下同)