かつて羽月隆太郎(26)は輝いていた。低迷を続ける広島カープにあって誰よりもまばゆい閃光を放つ若者だった。カープの未来を担うはずだった羽月は「ゾンビたばこ」によって何を失ったのか。ファンを沸かせ、チームを盛り上げ、新井監督を感激させた「神走塁」とは何だったのか。〈全2回の1回目/つづきを読む〉 2024年7月4日、7-5でカープが勝った阪神戦の終了後、マツダスタジアムのベンチ裏で待ち構える私たち記者の前に現れた時、羽月の白いユニフォームは泥だらけだった。胸元が大きくやぶれて、アンダーシャツがのぞいている。 「セカンドヘッスラでちょっとやぶけて、サードヘッスラでもっとやぶけて、ホームヘッスラで……」 そう言いかけて照れ笑いを浮かべた羽月の横顔に、伸び盛りの若手ならではの覇気が漂った。