自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた元参院議員の大野泰正被告(67)側は6日、一審判決を不服として東京高裁に控訴した。検察側も同日、控訴した。 6月23日の東京地裁判決は、起訴された5年分の虚偽記載のうち4年分について無罪と判断。残る1年分について大野元議員に罰金60万円(求刑罰金150万円)、元秘書の岩田佳子被告(62)に罰金20万円(同50万円)を言い渡した。岩田元秘書側も6日控訴した。 判決によると、大野元議員の事務所は最大派閥だった「清和政策研究会」(旧安倍派)のパーティー券を販売し、販売ノルマを超えた分を派閥から還流金として受け取っていた。元議員と元秘書は共謀し、2018~22年の還流金計5154万円を元議員の資金管理団体「泰士会」の政治資金収支報告書に記載しなかったとして起訴された。2人とも無罪を主張していた。 判決は還流金について、収支報告書に記載が必要な派閥から泰士会への寄付に当たると認定。そのうえで、18~21年分の計4034万円について、2人の間で「意思連絡があったとはいえない」と共謀を否定し、罪は成立しないとした。22年分の1120万円については、2人と地元秘書が「記載しないための具体的な方策についてやり取りしている」とし、共謀を認めた。 ■議員2人は罪認め略式命令が確定 一連の事件では、一部の派閥で同様に還流するなどした資金が各議員の政治資金収支報告書に記載されない裏金になっていたことが判明した。当時の議員に対する判決は大野元議員が初めて。それまでに谷川弥一元衆院議員(84)と堀井学元衆院議員(54)の2人が捜査段階で容疑を認めて略式起訴され、正式裁判を経ず罰金の略式命令が確定していた。このほか元衆院議員で旧安倍派の池田佳隆被告(60)と元秘書が逮捕、起訴され、初公判の期日はまだ決まっていない。