7月9日、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の図書館から、17世紀中国の希少な手稿を盗んだとして、カリフォルニア州に住む男に有罪判決が下された。 39歳のジェフリー・インは昨年10月、美術品窃盗の罪1件について有罪を認めていた。サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、判決では、すでに身柄を拘束されていた約1カ月を服役期間としたうえで、1年間の自宅軟禁と3年間の保護観察が言い渡されたという。 ニューヨーク・タイムズ紙によると、インによる一連の窃盗は2020年に始まったとみられている。この年、インはアラン・フジモリという偽名を使い、UCLAの図書館から中国の手稿2冊を借りた。2024年にはジェイソン・ワンと名乗ってさらに6冊を借り、2025年には新たに8冊を手にしている。 インが借りた手稿の一部は返却されたが、なかには偽物とすり替えられていたものもあった。BBCによると、UCLAの図書館が監視カメラの映像を調べた結果、紛失した手稿を借りた人物がインだったことが判明したという。盗まれた手稿がその後回収されたかどうかは明らかになっていない。 カリフォルニア州中部地区連邦検事局によると、インは手稿を盗み出した数日以内に中国へ渡航し、その後アメリカへ戻るという行動を繰り返していた。また、米司法省の発表では、インは約21万6000ドル(現在の為替レートで約3510万円)相当の希少な手稿を盗んだ罪で2025年8月に逮捕され、起訴されたという。ただし、2024年12月から2025年7月までの窃盗のうち、実際に有罪判決に至ったのは12月の1件のみで、その他の窃盗については起訴されていない。 インが滞在していたサンフランシスコ・ブレントウッドのホテルを捜査当局が捜索したところ、大学から借りた本と同じ装丁で、中身が白紙のダミー本が見つかったという。さらに、ダミー本を作るための資材も押収された。そのなかには、手稿の管理情報を印刷した「資産タグ」と呼ばれる既製ラベルも含まれていた。