* * * 「はじめてメン地下を見て、ほーっみたいになって」 そう言うと、ぱきにゃさん(14)は、その一目惚れしたという「推し」の「メン地下」とのツーショット写真を見せてくれた。神奈川県に住む中学3年生。昨年、新宿・歌舞伎町のライブハウスで撮ったという。 メン地下とは「メンズ地下アイドル」の略。大手芸能事務所に所属せず、繁華街のライブハウスなどの小規模な会場を中心に活動する男性アイドルで、「身近なアイドル」として若者の人気を集めている。 ぱきにゃさんがメン地下の世界にのめり込んだのは、昨年の冬のこと。新宿駅で配られていたビラを受け取り、ライブに行った。そこで出会ったのが、4人組アイドルグループ(すでに解散)メンバーの21歳のイケメンだった。 「かっこよかった」(ぱきにゃさん) それ以来、ぱきにゃさんのライブハウス通いが始まった。だが、この「推し活」には多額の出費を促す仕組みがあった。 1度来店するか、1枚千円の「チェキ券」を購入するごとに、1ポイントの「特典」が付与された。 例えば、1ポイント(千円)で推しと1分間会話ができ、30ポイント(3万円)ためると、「鍵締め(かぎしめ)」(推しと2人きりで30分間過ごせる特典)が受けられる。500ポイント(50万円)では一緒にプリクラ撮影ができ、1500ポイント(150万円)でディズニーランドでの4時間のデート。最高額は、3000ポイント(300万円)で、大阪に現地集合・現地解散し、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)などを巡る日帰り旅行だった。 ぱきにゃさんも「鍵締め」をした。2人きりの部屋で、先輩に叱られ落ち込んだという推しから、逆に人生相談をされたと笑う。お金は貯めていたお年玉で支払った。 ただ2カ月ほどすると、推しがグループを脱退したのを機に、メン地下から足が遠のいた。結局、会話代なども含めてこの期間に費やした金額は4万円ほどだったという。 一方で、ディズニーランドや大阪への日帰り旅行の「特典」などは、未成年がとうてい支払える金額ではない。ぱきにゃさんによると、その資金を工面するため、路上売春やパパ活をしていた子もいたという。 いま、メン地下ブームの裏で、メン地下にのめり込んだ未成年の少女たちが、その資金をつくるため性売買に追い込まれる問題が深刻化している。