【07月16日 KOREA WAVE】韓国・光州市で女子高校生が殺害された事件を巡り、捜査を担当した警察の強力チーム長が、性的目的を裏付ける重要な証拠を確保せず、報告書や映像の削除を指示していたことが分かった。検察は光州光山警察署長、刑事課長、強力チーム長、捜査チーム員を立件し、光州警察庁を繰り返し家宅捜索して上層部の関与を調べている。警察も独自に捜査を進めている。 警察庁国家捜査本部の特別捜査団は15日、強力チーム長を職権乱用、証拠隠匿、職務怠慢の疑いで検察に勾留送致した。 強力チーム長は、チャン・ユンギ被告(23)が女子高校生を殺害した5月5日、容疑者の自宅と車を捜索した際、性的暴行目的を裏付ける可能性がある人形や結束バンドを発見したにもかかわらず、押収しなかった疑いが持たれている。 また、ストーカー事件の内容を記した報告書から一部を削除するよう部下に指示し、「性的な方向に持っていくな」と捜査範囲を制限したとされる。光州警察庁から送られた「性的動機の可能性を検討する必要がある」との面談報告書も捜査記録に入れず、犯罪分析報告書では「性的目的」に関する部分を除外させたという。 犯行当時の防犯カメラ映像についても、車の後部ドアが開いていた可能性を指摘した報告書を削除させ、「不明確」と書き直すよう指示したとされる。車内の結束バンドが映った現場映像の削除も命じた疑いがある。 さらに、被告宅の暗証番号と車の鍵を、現職警察官である容疑者の父親に渡すよう指示した。父親は部屋を片付けるとして住所と暗証番号を受け取り、損傷した人形などを廃棄した。捜査チームと父親の間では計12回の通話が確認されている。 強力チーム長は「殺人の主要証拠ではないと判断した」と容疑を否認している。一方で、「上層部からストーカー事件と殺人事件を結び付けないよう指示された」と供述しており、捜査は警察の指揮系統に拡大している。 新たに、チャン・ユンギ被告が犯行前から被害者のイ・チェウォンさん(16)を一方的に知っていた可能性も浮上した。関連情報は、逮捕時に押収された予備の携帯電話から確認されたという。 チャン・ユンギ被告はこれまで被害者とは面識がなく、偶発的な犯行だったと主張していた。しかし、第2回公判では性的暴行を目的とした殺人だったことを認めた。事前に被害者を知っていたことが確認されれば、起訴内容が変更される可能性がある。 検察と警察は、事件を性的暴行目的の殺人ではなく単純な殺人として送致した過程に不当な指示があったか、外圧や金銭の授受、捜査情報の漏えいがなかったかを調べている。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News