警視庁高尾署の留置場で勾留中に倒れ、搬送先の病院で2日朝に死亡が確認されたトルコ国籍の男性(48)の死亡前の状況が、警視庁関係者への取材でわかってきた。男性は1日午後に医師の診察を受けたが、留置場に戻ってからも痛みなどを訴えていたという。 高尾署などによると、男性は6月25日に東京都八王子市内の高速道路で物損事故を起こし、その後、出入国管理法違反(旅券不携帯)の疑いで現行犯逮捕された。 警視庁関係者によると、勾留された男性は、6月29日夜に体調不良を訴え、30日に腹痛の症状が出た。署は市販の胃腸薬を飲ませる対応をしたが、7月1日正午ごろに再び腹痛を訴え、嘔吐(おうと)もあり、「病院に行きたい」などと大きい声を出していたという。 ■体温計は35度台、34度台を示す 署が医師に往診を要請し、男性は午後1時すぎに署で診察を受けた。その後、診療所に行って超音波検査などをした結果、急性虫垂炎の疑いや便秘も確認されたが、医師は入院の必要はないと判断した。医師は、薬の服用▽水分を多く取ること▽発熱などがあれば直ちに連絡することを署側に伝えたという。 男性は留置場に戻っても、英語で「痛い」などと訴えた。 署側は、医師の指示通りに水やさゆを渡し、男性の体温を非接触型などの体温計で複数回測定した。35度台や34度台を示したという。 ■うめくような声、十二指腸に穴 この間、2日未明にかけてトイレの出入りを繰り返し、男性は断続的に「あー」「うー」などと、うめくような声を上げていたという。 午前6時ごろ、留置場のトイレで倒れている男性を署員が発見した。病院に搬送したところ、死亡が確認された。 司法解剖の結果、潰瘍(かいよう)の影響で十二指腸に穴があいており、腹膜炎を起こしていた疑いがあったという。 警視庁は、署側の対応について問題がなかったかを詳しく調べている。(藤田大道、西岡矩毅)