環境省が約10年ぶりに改定する『生態系被害防止外来種リスト』で、イエネコを『防除推進外来種』対象に指定しようとした動きは、動物愛護管理法や鳥獣保護管理法との矛盾を改めて浮き彫りとしている。 動物愛護管理法はネコを「愛護動物」と位置づけ、みだりに殺したり傷つけたりした場合は5年以下の拘禁または500万円以下の罰金に処すると規定する。一方、鳥獣保護管理法では野生化した「ノネコ」を狩猟可能な「狩猟鳥獣」としている。 この矛盾に対し、環境問題に取り組む法律家でつくる一般社団法人「日本環境法律家連盟(JELF)」は鳥獣保護管理法の「ノネコ」「ノイヌ」規定は動物愛護管理法に抵触し、必要性も認められないとして環境省に削除を求める意見書を提出している。 野生化した「ノネコ」と外を行き来する飼いネコや地域ネコ、野良ネコを見分けるのは極めて難しい。販売されるネコにマイクロチップの装着が義務付けられたのは令和4年6月からで、販売ではなく譲渡などで入手された飼いネコには未装着のネコも多い。 5年3月にネコを殺したとして動物愛護法違反の容疑で広島県警に逮捕された大学院生の男は「愛護動物にあたらないノネコだと思った」などと供述するなど、法を〝悪用〟しようとした犯罪も起きている。 環境省や全国の自治体と協働して44万頭超の不妊去勢手術に取り組んできた公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)は狩猟鳥獣からの「ノネコ」「ノイヌ」削除を求める要望書を環境省に提出、同省も「ノネコとノラネコ、イエネコ(飼いネコ)の区別が現場で困難で、誤捕獲によるトラブルや動物愛護法違反のリスクがある」などとして昨秋から見直しに動き出した。 同基金の佐上邦久理事長は「鳥獣保護管理法ではノネコとの区別が困難としながら、生態系被害防止リストではイエネコと種名で一括防除しようとする国のやり方はダブルスタンダードで、おかしい」と指摘している。 ■殺処分かTNRか