ベルリンテロ「監視失敗」に批判…IS参加歴のある危険人物を監視しながらも犯行防げず(1)

ドイツ・ベルリンで開かれた性的少数者(LGBTQなど)の祭典を狙ったテロ事件の容疑者が、過去に過激派組織「イスラム国(IS)」に参加しようとしたことがあるにもかかわらず、事実上の執行猶予措置で釈放されていたことが分かり、波紋が広がっている。監視対象だった危険人物が大規模な都市テロを実行することができた背景には、当局の対応の甘さもあったという批判が出ている。 ◇車で突進後に刃物で襲撃…1人死亡、29人負傷 26日(現地時間)、ロイター通信など海外メディアによると、前日(25日)にベルリン中心部のティーアガルテン公園で起きたテロ事件の容疑者アブドゥル・バルート(21)は、同日午後6時ごろ、ベルリン北西部シュパンダウの市民農園で警察特殊部隊の銃撃を受けて死亡した。警察は、バルート容疑者が刃物を持って隊員に襲い掛かったため発砲したと説明した。 バルート容疑者は事件当日の午後10時ごろ、白いシトロエンのバンでベルリン中心部のティーアガルテン公園の遊歩道に向けて突進し、歩行者を次々とはねた。車は木に衝突して停止した後、運転者は車から降り、マチェーテ(山刀)とみられる刃物を振り回しながら逃走した。この襲撃で女性1人が死亡し、29人が負傷した。現在、負傷者のうち危篤状態にある人はいないという。 現場は、数十万人が参加した性的少数者の祭典「クリストファー・ストリート・デー(CSD)」のパレードコース近くで、約500メートル離れた場所では祭りのフィナーレ公演が開かれていた。ドイツ当局は公演を中止し、会場にいた人々を緊急避難させた。 現地メディアは、バルート容疑者が犯行に使用した車両を借りていたことは確認されたものの、実際に運転していたかどうかはまだ確定していないと報じた。また、事件直後に拘束されたイラン国籍の男の関与も確認されておらず、当局は共犯の可能性について捜査を続けている。 ドイツ当局は、バルート容疑者が過去にISへの参加を図り、イスラム過激派の危険人物として管理されていたことなどから、今回の事件をイスラム過激派によるテロとみている。車両突入後に刃物で襲撃する手口も、従来のジハード主義者によるテロと類似している。アレクサンダー・ドブリント内相は「すべての状況証拠がイスラム過激派によるテロを示している」と説明した。 ◇16歳から危険人物として監視を受けてきた… IS参加を図り逮捕 ベルリン生まれのレバノン系ドイツ人であるバルート容疑者は、16歳の時にベルリンのイスラム過激派組織で活動していたことが情報当局に把握され、治安当局の監視対象リストに入った。2024年6月には、ソーシャルメディア(SNS)のインスタグラムに禁止されているISの宣伝物を2度にわたって投稿し、昨年5月にはシリアへ渡ってISの武装闘争に加わろうとした。ドイツ検察は、容疑者がトルコを経由してレバノンに入り、その後シリアに向かおうとする中で、IS構成員とみられる人物らと接触したとみている。 その過程で、バルート容疑者は昨年7月にレバノン当局に逮捕された。容疑者は宗教・宗派間の対立をあおった罪などで3カ月服役し、同年11月にドイツへ帰国した。ドイツ警察はベルリン到着直後に容疑者を再び逮捕し、拘束した。 ベルリン・ティーアガルテン地方裁判所は今年5月、国家安全保障を脅かす重大な暴力行為を準備し、禁止団体に関する法律に違反した罪で、バルート容疑者に少年刑1年10カ月を言い渡した。ISへの参加を図った行為と、SNSにISの宣伝物を投稿した事実が有罪と認定された。

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