大阪府内の無職の70代女性が、警察官などをかたる人物らから現金など計約4億4300万円をだまし取られた。 府警が28日、明らかにした。 「ニセ警察詐欺」事件では府内で過去最多の被害額だという。 特殊詐欺捜査課によると、経緯はこうだ。 1月15日、女性宅の固定電話に、郵便局員をかたる男から電話がかかってきた。 「あなたの荷物を調べたら、中からキャッシュカードが出てきた」 その後、電話が転送され、今度は「警視庁のミナガワ」を名乗る男が電話口に出た。 「捜査中の人物があなたに不正なお金を渡したと言っている。疑いを晴らすために、あなたの資産をすべて確認する必要がある」 女性は、SNSのビデオ通話などで指示されるがまま、銀行に向かった。 「終活のための資産整理です」 女性はミナガワから言われたとおりに窓口で説明し、複数の口座の預金を一つにまとめる手続きをした。 当時の預金計約1億2900万円は暗号資産に変えさせられた。 その後、複数回にわたり、指定された送金先へ送った。 「あなたの身に危険が迫っている」 再び、ミナガワからSNSで指示があり、指定された府内のホテルに移動するように仕向けられた。 最初のやり取りから約1カ月後の2月14日。 「あなたの家に家宅捜索が入る。家に現金があるとあなたは逮捕される。家宅捜索が入る前にこちらで回収して調べるので、自宅前に現金を置くように」 こう指示され、女性は普段から自宅に置いていた現金約2億円をリュックサックに入れて玄関の前に置いた。 その後も5月まで、「回収した2億円に不審なお金があった。脱税の疑いがあり、お金をきれいにするため資金が必要」などと指示は続いた。 女性は、さらに5回にわたって現金を振り込んだり、自宅前に置いたりした。 7月15日になって、女性の話を聞いた弁護士が被害に気づき、22日に府警が被害届を受理したという。 府警は「警察が資産を調査すると言ったり、捜査についてSNSで連絡を取ったりすることはない」と注意を呼びかけている。(黒田陸離)