さいたま市岩槻区の踏切で車と電車が衝突した直後の映像。 踏切の警報機が鳴り続け電車の脇に止まっていたのは、後方が大きく壊れた白い車です。 この車を踏切から出られないようにして運転手の男性を殺害しようとした疑いで逮捕されたJAF職員の加藤研一容疑者(52)が20日、送検されました。 この直前に交通トラブルがあったという趣旨の話をしている加藤容疑者。 事件は、なぜ起きたのでしょうか。 独自に入手した映像から詳細が明らかになってきました。 消防車から慌ただしく降りる消防隊員。 その先にあったのは、踏切内で電車に突っ込むように停車する白い車。 「イット!」が20日新たに入手した事故直後の映像では、遮断機に引っかかった状態で停車した車の周りを警察や消防隊員が取り囲んでいました。 目撃者は当時の状況について「切羽詰まった状況で車が結構大破していた。緊張感ありました」と話しました。 20日午前、埼玉県警岩槻警察署を出た1台の車。 中にいた白髪交じりの男が、加藤研一容疑者です。 加藤容疑者は、後ろの車を踏切から出られないようにして男性を殺害しようとした疑いが持たれています。 ロードサービスなどを行うJAFに勤める加藤容疑者。 今回の事件を受けて高校の同級生は、「音楽ができて明るくて面白い子だった印象。そういうことをする子には思えなかったので驚いている」と話しました。 事件は18日午後5時半ごろ、大宮駅と千葉方面を結ぶ東武アーバンパークラインの七里駅と岩槻駅の間にある踏切で起きました。 警察によりますと、まず加藤容疑者が運転する車が踏切内を進行。 その後ろで被害男性の車が踏切を渡ろうとしていました。 ところが、加藤容疑者は車を停車させると、その場で車を降り、被害者の車の隣で文句を言い始めたといいます。 すると、踏切内に自動車が残っている状態で遮断機が下りてきたということです。 加藤容疑者は遮断機が下がったところで車に戻り、発進。 ところが、被害者の車は遮断機に引っかかり、車から降りて外そうとしたものの電車と衝突しました。 反動で車は半回転し、電車に突っ込むような形になりました。 目撃者: 電車の警笛みたいな、今までに聞いたことないようなブーンって音が何回も鳴っていた。車が回転して、後ろがグシャッとなっていた。 直後に撮影された映像を見ると、電車と衝突した車の左後方は原形をとどめないほどひしゃげているのが分かります。 また、線路の反対側から撮影された映像には、10人ほどの消防隊員が待機する様子が。 電車に近づいていくと、車内には複数の乗客の姿も確認できます。 被害に遭った男性や電車の乗客らにけがはありませんでしたが、この影響で運休や遅れが発生し、約1万4000人に影響が出ました。 東武鉄道によりますと、一般的に、この区間を走る電車は時速約80kmで走行するといいます。 衝突の衝撃について交通事故鑑定人・中島博史さんに聞いたところ、「(車に)乗ったままであったら無事では済まない。少なくとも重傷を負う程度の衝撃を受けたはずと言っていい。警笛の柱があることやコンクリートの壁があることで止まったので、平らな道路であればもっとはじき飛ばされ回転した」と話しました。 命に関わる恐れもあった今回の事件。 背景にあるとみられるのが交通トラブルです。 現場から400メートルほど手前を走行する加藤容疑者のものとみられる車。 その10秒後、被害者のものとみられる車も確認できます。 一方、現場から150メートルほど離れた場所にあるカメラには、2台が連なるように走行する様子が映っていました。 事件はこのすぐあとに起きました。 警察の調べに対し、加藤容疑者は「相手の車が1㎞ほど車間距離が近く、注意するために車を止めた。殺そうとは思っていません」と話しているといいます。 道路交通法では、踏切内で停止する恐れがある場合、進入を禁止していますが、警察はあおり運転などは確認できていないとしています。 今回、殺人未遂容疑での立件となったことについてフジテレビの上法玄解説委員は「本人が『殺すつもりはなかった』と言っていても、(車を使い)線路内に車を立ち往生させた、その悪質性。遮断機が下りて立ち往生する車を逃がさないようにした執拗性。このあたりを警察は問題視をして殺意があったと認定したと考えられる」と話しました。 加藤容疑者は、ロードサービスなどを行うJAF(日本自動車連盟)の職員だということが分かっていますが、20日、そのJAFが「イット!」の取材に応じました。 事件について、「当連盟の職員が逮捕されたことは認識しております。現在、事実関係の確認を進めているところです。今後、事実関係を確認したうえで適切に対応してまいります」としています。 加藤容疑者は「殺そうとは思っていません」と容疑を否認していて、警察が詳しい状況を調べています。