トランプ大統領のことが怖くて怖くて仕方がない…「ICC・赤根所長」を見捨てる高市首相は「米国に抗議する日本人」も守らない 古賀茂明

「酷い」「薄情」「弱腰」「トランプの奴隷」……。あらゆる批判の声がネット上を飛び交い、「炎上」している。 8月18日、米国のマルコ・ルビオ国務長官が、国際刑事裁判所(ICC、本部=オランダ・ハーグ)の赤根智子所長を制裁対象にすると発表したのに対し、高市早苗首相は、「残念」というコメントをしただけで、米国に対して一切批判をせず撤回を求めることもなかった。まるで評論家のようなコメントに、多くの国民が驚き、憤ったのだ。 当初の速報段階では、赤根所長らに対して、米国内の資産凍結や、入国禁止の措置が取られるという程度のことしか伝わってこなかったが、徐々に、その深刻さがわかってきた。 しかし、日本の報道は非常に表面的で、その本質を伝えていない。クレジットカードが使えないとか金融機関を利用できなくなるかもしれないとか、Gメールがどうだとかアマゾンやウーバーがどうだとかいうような話に終始している。赤根所長に警護官がついたという話も伝えられたが、それが何を意味するかもよくわからない。 そこで、まず、この制裁はそもそもどんなものなのかを紹介したい。この制裁は、2025年2月6日にトランプ米大統領が出した大統領令14203号「国際刑事裁判所に対する制裁」を直接の根拠とするものだ。 この大統領令は、IEEPA(国際緊急経済権限法)、NEA(国家緊急事態法)、移民・国籍法212(f)条などを根拠にしているが、ここに並んだ法令の名称を見ただけで、米国の緊急事態に対応する措置の一部だということが理解できる。これを根拠にOFAC(米財務省外国資産管理局)も行動する。 特に、IEEPAは、大統領が「米国の国家安全保障・外交政策に対する異常かつ重大な脅威」が存在すると判断して国家非常事態を宣言した場合、外国人・外国企業の米国内資産を凍結したり、米国人との取引を禁止したりする権限を与えるもので、非常に強力な法律だ。 私もあまり明確に認識していなかったが、25年1月に宣言されたこの国家非常事態(原則として1年で失効する)は26年1月にさらに1年間延長されている。緊急事態下にあることで、大統領令に基づいて、ICCの管轄権を認めていない同盟国の関係者(例えばイスラエルのネタニヤフ首相)を捜査・逮捕・拘禁・訴追することは、米国の国家安全保障・外交政策に対する「異常かつ重大な脅威(unusual and extraordinary threat)」であると認定することができるという建て付けだ。

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